研究課題/領域番号 |
19K01467
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐々田 博教 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (90551101)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 農業政策 / 政策決定過程 / 制度発展 / 政策過程 / 政治過程 / 構成主義制度論 |
研究開始時の研究の概要 |
農政研究において定説とされてきた「鉄の三角同盟論」は、政・官・業の利益誘導関係に注目した説明を展開するが、こうした説明においては各アクターの政策選好がどのように形成されたといった点については全く説明されてこなかった。また各アクター内での意見対立や選好の変化といったファクターは無視されてきた。こうした問題意識から、本研究ではアクターの政策アイディアやその社会構築に注目する構成主義的制度論の観点から戦後農政の形成過程を分析し、定説とは異なる新しい農政論を展開する。
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研究実績の概要 |
令和5年度には、これまで行ってきた資料収集やインタビュー調査などの結果を基に、研究成果を著書にまとめる作業を行った。同年度前期にサバティカルを取得したことで、執筆作業に十分な時間を確保することができたため、作業を非常に速いペースで進めることができた。著書の内容は8つの章にわたり、戦前から1970年代にかけて農業関連の主要法律(食糧管理法・農地法・農協法・農業基本法)の制定が、どのように農政トライアングルの形成をもたらしたかについて分析を行っている。分析にあたっては、自然科学の分野において広く使われている自己組織化の概念を応用した手法を用いて、利益誘導構造が形成された過程を明らかにした。同著書の出版にあたっては、令和6年度科研費・研究成果公開促進費の助成を受けることが決定し、同年度中に千倉書房から『農政トライアングルの誕生:利益誘導構造の形成過程』というタイトルで単著の出版を予定している。現在、出版社と出版に向けて原稿の校正作業を行っている。今年度6月半ばには、第1稿を出版社に渡す予定にしている。また令和5年10月には、本研究と以前の研究を基に英語で執筆した著書を、イギリスのRoutledge社から『The Origin of Japan’s Protectionist Agricultural Policy: Agricultural Administration in Modern Japan』のタイトルで出版した。さらに本研究の成果を令和5年12月に関西行政学研究会(於・大阪大学)で発表した。同研究会においては、政治学・行政学の専門家から多くの有益なコメントを得ることができた。それらのコメントを反映し、原稿に加筆・修正を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の時期に予定していた出張の多くが先送りを余儀なくされ、その後の資料分析や論文執筆に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、出版予定の原稿の校正などを進めつつ、研究会・学会などで研究発表を行い、インプットを得ながら必要な加筆・修正を行っていく。また、将来的な英語による出版を目指して、翻訳・出版社へのアプローチなどを進めていく。
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