研究課題/領域番号 |
19K01469
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森川 想 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (10736226)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 用地取得 / スリランカ |
研究開始時の研究の概要 |
社会基盤事業に伴う用地取得・住民移転に付随して行われる、住民のリスク低減のための諸政策は、事業予算が制約される以上、対象となる住民に対して継続的に一律のサービスが提供されるわけではなく、事業の進捗に応じて常にサービス内容や水準に変動が生じる。こうした構造は、資源に制約のある現代行政が共通して抱える構造である。環境変化に対応した行政資源の配分の変動は、どのように行うべきなのだろうか。また、もたらされる配分の変動は、市民および行政や政策にどのような影響を与えるのだろうか。本研究では、スリランカの社会基盤事業を研究対象として、この問いをco-productionの一般的な課題と位置付けて検討する。
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研究成果の概要 |
本研究は、社会基盤事業に伴う用地取得・住民移転の過程を、事業の受容と移転後の生活再建を目指す行政と市民とのco-productionの過程と捉えようとするものである。鍵概念であるco-productionの観点からは、住民の負担に対する理解がどのように形成され、スリランカの道路事業・用地取得過程でどのような影響を及ぼすのかについて、当該過程を模した行動実験や、同国の市民に対するオンライン調査を組み合わせて検討を試みた。実験の結果、社会的意思決定の形式によって人々の事業規模や補償への反応は異なること、経済的再配分の誘因は現実の用地取得・住民移転の文脈で重要であると認識されていることが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
社会基盤の供給を公共財供給と考えるとき、補償制度などを設計・実施する政府と市民との関係は重要となる。本研究では、当初予定よりも市民に焦点を当てたため、この二者の関係に基づくco-productionの在り方についてより精確に把握する必要性が確認された。特に、伝統的なコミュニティにおける公共財供給という観点というよりも、政府関与を有する公共財供給として捉えるべきものであると考えられる。今後の研究では、co-productionの過程が観察される前提として、政府組織と市民・コミュニティの関係性が効率的なインフラ事業の進捗にもたらす影響について、より基礎に関わる調査分析を行っていくことが必要となる。
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