研究課題/領域番号 |
19K01481
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
|
研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
木部 尚志 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (10310327)
|
研究分担者 |
千葉 眞 国際基督教大学, 教養学部, 名誉教授 (10171943)
苅部 直 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (00261941)
宇野 重規 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (00292657)
高田 宏史 岡山大学, 教育学研究科, 准教授 (20513469)
千野 貴裕 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 准教授 (00732637)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 政治と宗教 / 世俗主義 / リベラリズム / デモクラシー / 近代日本 / 世俗化論 / 世俗主義論 / 政教分離 / 西洋と非西洋 / 近代 / 宗教 |
研究開始時の研究の概要 |
世俗化論、世俗主義論、宗教概念に関する最近の学問的動向を研究するとともに、宗教の復興、ファンダメンタリズムの台頭、移民の増加による宗教的多様化の進展といった社会状況が提起する種々の問題に対応しうる理論的構想の枠組みを探求する。(1)世俗化論、世俗主義論および宗教概念を批判的に吟味する視点からみた場合、西洋および非西洋における政治的近代に関する従来の歴史理解がどのような修正を迫られ、どのような近代像が生まれるのか、という問いと、(2)リベラリズムとデモクラシーの2つの政治理念が、宗教をめぐる種々の問題に対応し、解決に寄与するために、どのような原理と枠組みを提供しうるのか、という問いに取り組む。
|
研究実績の概要 |
2022年度は本研究プロジェクトの最終年にあたり、一定の研究成果を生み出すことができた。まず筆頭に挙げられるべきは、千葉眞「チャールズ・テイラーの「宗教と世俗」論」(『思想』第1179号)である。本プロジェクトが深く関わった、『思想』におけるチャールズ・テイラー特集での議論をさらに吟味し補完する論考となっている。また今年度は、日本の政治思想に焦点を当てた論考も複数生まれた。苅部直「十九世紀の日本と「文明」の知」(『Voice』通巻543号)、宇野重規「南原政治哲学における学問的射程とその意義」(南原繁研究会編『南原繁における学問と政治』)、木部尚志 “The Shackles of Universal History and the Road Not Taken: ’Ambivalent Possibilities’ in Maruyama Masao’s Thought” (Journal of Social and Political Philosophy, vol. 2 (1)), 木部尚志 “The Prince between Confucianism and Machiavellianism: Inoue Kowashi on Statecraft and Political Morality” (Jun-Hyeok Kwak (ed.), Machiavelli in Northeast Asia)が挙げられる。欧米の政治思想研究としては、グラムシ思想を分析した千野貴裕 "The Modern State and Future Society: Gramsci's Two Conceptions of the "Ethical State" (The European Legacy (27)2)がある。さらに、単著の成果として、宇野重規『日本の保守とリベラル』(中央公論社)および同著者『近代日本の「知」を考える』(ミネルヴァ書房)が挙げられる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績という観点からみて、おおむね順調に進捗してきたと言える。それは、個々のプロジェクトメンバーによる出版の充実した量と質に表われている。しかしながら、本プロジェクトが目指した「デモクラシーとリベラリズム」の観点から宗教と政治の関係を見直した上で、新たな理論の方向を探るという課題に関しては、未だ十分に達成されたとは言えない。この問題はデモクラシーとリベラリズムという2つの大きな課題を組み込む野心的な構想に起因したと考える。
|
今後の研究の推進方策 |
上で述べたように、デモクラシーとリベラリズムという2つの大きな課題を組み込んだことから、本プロジェクトの焦点が絞りにくくなったことを反省して、2023年度から開始する科研費プロジェクトでは、「世俗主義とナショナリズムの結びつき」という、よりspecificな観点から政治と宗教の問題にアプローチすることにした。また、コロナ禍で招聘できなかった海外研究者が参加するワークショップを実現させて、国際的なネットワークの広がりを持つ研究を目指すことにしたい。
|