研究課題/領域番号 |
19K01493
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
小関 素明 立命館大学, 文学部, 教授 (40211825)
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研究分担者 |
吉田 武弘 立命館大学, 文学部, 授業担当講師 (30772149)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 日本近代主権 / 国民主権 / 錦旗革命 / 日米開戦と終戦工作 / 日本国憲法体制 / 戦後知識人論 / 近代天皇制 / 内閣の議会解散権 / 戦争責任論 / 日本国憲法 / 立憲政体 / 終戦工作と木戸幸一 / 近衛文麿「改正綱領」 / 内閣の衆議院解散権 / 国家公務員制度 / 憲法改正 / 戦争詩 / 高村光太郎 / 野口米次郎 / 敗戦と「錦旗革命」 / 二院制度 / 佐々木惣一 / 終戦工作 / 木戸幸一 / 戦後民主主義 / 内閣制度 |
研究開始時の研究の概要 |
戦後日本において民主主義は、主として権力に対する「機制」ないし日本国憲法の遵法として重視されてきた。しかし、今日露わになりつつあるのは、そうした機制的対抗言説に偏頗した民主主義の限界である。形式民主主義的手続きを経由して構成され、強力な「実行力」を標榜した権力に対して有効な批判を提起できない今日の閉塞状況を打開するためには、こうした民主主義の歴史的再検証が不可欠である。 こうした問題意識のもとに本研究計画では民主主義にとって「権力の暴走」の抑止以上に重要なことは、国民の要望を組織化し、その要望を実現する実行力のある公権力を構成することに他ならないことを掘り下げて検証してみたい。
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研究成果の概要 |
①『日本近代主権と「戦争革命」』(2020年、日本評論社)、②「天皇制と「大東亜戦争」関与の精神構造-負い目と擬態の精神史-」(『立命館大学人文科学研究所紀要』129、2021年)、③「加藤周一の死生観の相貌」(『加藤周一現代思想研究センター報告』準備号、2023年3月)を執筆、公刊したことによって、前著『日本近代主権と立憲政体構想』(2016年、日本評論社)以来積み残してきた研究計画の目標は概ね達成し、次の研究計画に向けた目標を定めることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
戦後日本の民主主義の由来と性格を抜本的に問いなおす前提作業を試みた。それによって明らかにしたことは、戦後民主主義は戦前期のリベラルデモクラシーの単純な継承でもなければ、戦後に西欧から移植されたものでもないということである。 それは近代日本の公権力の構造がもたらした必然的な帰結である。終戦工作はそうした公権力の中核に置かれていた天皇の「主導性」を策出することによって成し遂げられた「錦旗革命」であった。そうした「錦旗革命」をへて戦後を迎えたことは、戦後日本の権力運用に無視できない鋳型をはめた。 このことを明らかにできたことが成果である。
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