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シュミット政権期の独米関係に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K01507
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分06020:国際関係論関連
研究機関専修大学

研究代表者

妹尾 哲志  専修大学, 法学部, 教授 (50580776)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード冷戦史 / ドイツ外交 / 外交史 / 国際関係論 / 国際政治
研究開始時の研究の概要

本研究では、第二次世界大戦後の西ドイツの対アメリカ外交について、西側同盟関係が動揺した1970年代後半から80年代前半の時期に焦点を当てて考察する。冷戦時代の西ドイツは安全保障面においてアメリカに大きく依存していたが、経済面では戦後に復興から高度成長を遂げ国際社会での発言権を増してきたのが当該時期にあたる。ヴェトナム戦争に苦しみ欧州への関与を低下させつつあったアメリカに対して西ドイツがどのように自己主張を強めていったのか。とりわけ1977年に誕生するアメリカのカーター政権の独自色の強い外交に当時の西ドイツのシュミット政権はどのように対応したのかを検討する。

研究実績の概要

本年度はシュミット政権期の独米関係に関して、申請書に記載した独米の二国間関係のレベル、多国間関係のレベル、そして同時期の西ドイツ国内政治の関連資料や文献の収集・調査を続けるとともに、以下の研究成果を発表した。まず、シュミット政権期の独米関係を含む外交政策と国内政治に関して包括的にまとめた論考を発表した。そこでは、「継続と集中」をスローガンに掲げ、外交政策においては「現実的緊張緩和政策」を推進したことに言及した。シュミット政権下では、ドイツやヨーロッパの分断克服に向けた長期的なビジョンが影を潜め、東西間の勢力均衡をより重視する観点から、前政権のブラント首相の下で取り組まれた東方政策の成果を継続し発展させていくことが目指された。政府内でも、シュミット首相とゲンシャー外相の両者とも具体的な成果を積み重ねるために東側政府に「静かな外交」でのぞむべきであるという点で一致しており、引き続きソ連との関係や東ドイツをはじめとした東欧諸国との人的交流を重視し、緊張緩和の果実を具体化していくことに注力した。このようにシュミット政権は引き続き東西緊張緩和に取り組む一方で、アメリカのフォード大統領やフランスのジスカールデスタン大統領と概ね緊密な関係を築いた。シュミット政権の外交政策は、70年代半ばの国際政治経済の激しい変動の中で「危機管理」に彩られることになったが、前政権期に比べて西側重視へとシフトしたことを指摘した。次に、シュミット政権期の独米関係を分析する上で不可欠なブラント政権期の独米関係を含む外交政策と国内政治に関して包括的にまとめた論考を発表した。さらには、シュミット政権期を含む多極化の時代における欧州統合と東方政策に関して、独米関係にも目配りした論考を発表した。そしてシュミット政権期を含む西ドイツの東方政策について、並行する独米関係にも触れつつまとめた論考を発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

シュミット政権期の独米関係に関する史料や文献の収集・調査を引き続き行うとともに、研究成果のとりまとめや成果の発表に取り組んでいるが、新型コロナウィルスによって海外調査を見合わせてきたこと等が作業に影響を与えた。

今後の研究の推進方策

新型コロナウィルスの影響を受けていた史料収集などの調査を進め研究成果を取りまとめる作業に取り組んでいく。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (18件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件) 図書 (11件)

  • [雑誌論文] 「書評:清水聡著『東ドイツと「冷戦の起源」1949~1955年』(法律文化社、2015年)」2020

    • 著者名/発表者名
      妹尾哲志
    • 雑誌名

      国際政治

      巻: 199 ページ: 199-202

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 書評:清水聡著『東ドイツと「冷戦の起源」1949~1955年』(法律文化社、2015年、全247頁)2020

    • 著者名/発表者名
      妹尾哲志
    • 雑誌名

      国際政治

      巻: 199 ページ: 199-202

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 在欧米軍削減問題と西ドイツ外交-1960年代末から70年代初頭のオフセット交渉と負担分担問題に着目して2019

    • 著者名/発表者名
      妹尾哲志
    • 雑誌名

      国際政治

      巻: 196 ページ: 33-48

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 戦後ドイツ外交における対ロ依存の歴史的起源?ー「接近による変化」構想の内容とその登場背景2022

    • 著者名/発表者名
      妹尾哲志
    • 学会等名
      沖縄経済環境研究所2022年度第1回オンライン研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 討論:イギリスの戦後ヨーロッパ秩序構想2021

    • 著者名/発表者名
      妹尾 哲志
    • 学会等名
      日本国際政治学会2021年度研究大会「欧州国際政治史・欧州研究分科会」(オンライン)
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] シンポジウムⅠ「ドイツ外交史研究の最前線――『歴史のなかのドイツ外交』を手掛かりに―」2020

    • 著者名/発表者名
      板橋拓己、妹尾哲志、飯田洋介、北村厚、河合信晴、葛谷彩(編著者リプライ・コメント、妹尾と葛谷は書面による)
    • 学会等名
      ドイツ現代史学会第42回大会(オンライン)
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 紛争地域における「記憶」と「安全保障化」のメカニズム-「東地中海地域」を事例にドイツの視点から2019

    • 著者名/発表者名
      妹尾哲志
    • 学会等名
      地域紛争研究会2019年度第4回例会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [図書] 『冷戦史―超大国米ソの出現からソ連崩壊まで』「多極化のなかの欧州統合と東方政策―1960年代半ば~1970年代末」2024

    • 著者名/発表者名
      益田実・齋藤嘉臣編著
    • 総ページ数
      424
    • 出版者
      法律文化社
    • ISBN
      9784589043245
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 『現代ドイツ政治外交史ー占領期からメルケル政権まで』「東西緊張緩和への貢献と「もっとデモクラシーを」―ブラント政権、1969~1974年」2023

    • 著者名/発表者名
      板橋拓己・妹尾哲志編著
    • 総ページ数
      394
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623094868
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 『現代ドイツ政治外交史ー占領期からメルケル政権まで』「「継続と集中」と危機管理の時代―シュミット政権、1974~1982年]2023

    • 著者名/発表者名
      板橋拓己・妹尾哲志編著
    • 総ページ数
      394
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623094868
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 『平和学事典』「西ドイツの東方政策」2023

    • 著者名/発表者名
      日本平和学会編
    • 総ページ数
      778
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      9784621308080
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 『デタントから新冷戦へ-グローバル化する世界と揺らぐ国際秩序』「西独シュミット外交と独米関係-人権問題をめぐる西側同盟の協調と対立-」2022

    • 著者名/発表者名
      益田実・齋藤嘉臣・三宅康之編著
    • 総ページ数
      368
    • 出版者
      法律文化社
    • ISBN
      9784589042125
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 『ハンドブックヨーロッパ外交史-ウェストファリアからブレグジットまで』「ブラントの東方外交-「西側統合」を土台とした東側との緊張緩和」2022

    • 著者名/発表者名
      岩間陽子・君塚直隆・細谷雄一編著
    • 総ページ数
      284
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623092260
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 冷戦変容期の独米関係と西ドイツ外交2022

    • 著者名/発表者名
      妹尾 哲志
    • 総ページ数
      248
    • 出版者
      晃洋書房
    • ISBN
      9784771036017
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 入門講義 戦後国際政治史2022

    • 著者名/発表者名
      森 聡、福田 円、妹尾 哲志
    • 総ページ数
      320
    • 出版者
      慶應義塾大学出版会
    • ISBN
      9784766427936
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 『ドイツ文化事典』、「ドイツ社会民主党」、「ヴィリ・ブラント」2020

    • 著者名/発表者名
      石田勇治編集代表
    • 総ページ数
      744
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      9784621305645
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] 『競合する歴史認識と歴史和解―パワー、ナショナリズム、アイデンティティ、市民社会、歴史認識の交錯』「第8章 西ドイツの東方政策における対ポーランド関係と人道問題、1970~75年」2020

    • 著者名/発表者名
      菅英輝編著
    • 総ページ数
      317
    • 出版者
      晃洋書房
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [図書] 『歴史のなかのドイツ外交』「はじめに」(板橋拓己と共著)、「第4章 ブラントの「東方政策」と対ポーランド関係-ワルシャワ条約調印への道」2019

    • 著者名/発表者名
      板橋拓己・妹尾哲志編著
    • 総ページ数
      350
    • 出版者
      吉田書店
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

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