研究課題/領域番号 |
19K01509
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
荒木 圭子 東海大学, 国際学部, 教授 (00512633)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | パン・アフリカニズム / 黒人史 / アフリカン・ディアスポラ / 国際連盟 / 自決権 / 黒人 / 人種 / 民族 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の根本的な「問い」は、脱国家的な人種マイノリティ集団が「自決権」の主体となり得るのか、というものである。20世紀以降、自決権が民族主義原理とともに語られてきたことを考えると、その答えは簡単に否と出るであろう。しかしながら1920年代、国際連盟に対し、脱国家的な「黒人」団体が自決権を求める嘆願を行った際、それは結果的に認められはしなかったものの、重要な問題として認識された。 本研究では、上記の嘆願やほかの脱国家的集団の位置付けをめぐる国際連盟内部での議論から、冒頭に挙げた問いについて検討するものである。
|
研究成果の概要 |
本研究期間全体においては、著書2件(単著1、共著1)、査読つき単著論文3件(英語2、日本語1)、口頭発表3件の成果があった。全体を通して、黒人たちの国境を超えた自決権獲得のための運動と、その際に重要となるパン・アフリカニズムに関する研究を深化できたことが大きな成果である。 新型コロナウイルスの流行により、現地調査にいけない時期が長引いたため、国際連盟における動きに関しては、十分に研究を進めることができなかった。その一方で、研究期間2年目のはじめにブラック・ライヴズ・マター運動が大きく展開したことにより、パン・アフリカニズムの現代的意義を検討する成果につながった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脱国家的な人種集団が自決権の主体になりうるのかという「非常識」な問いが、社会進化論やそれに裏打ちされた植民地主義が蔓延っていた20世紀初頭においては、ある程度の正当性をもって扱われていたことを明らかにできた点が学術的な意義である。また、21世紀に入りアフリカン・ディアスポラのアフリカ開発への参加が新たなパン・アフリカニズムとして模索されている中で、それを検討するための歴史的事象を明らかにできた点は社会的な意義と考えられる。
|