研究課題/領域番号 |
19K01510
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
湯澤 武 法政大学, グローバル教養学部, 教授 (10583883)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 国際関係理論 / 実践理論 / 規範研究 / 東アジアの国際関係 / 国際制度 / 政策過程論 / 組織論 / ASEAN / コンストラクティビズム / 国際安全保障 / 国際規範 / 構成主義 / 政策実施論 / 東アジア / 国際関係論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、国際規範が政策として実施される過程で変容するメカニズムを解明すべく、東アジアの地域制度に制度化されたリベラル規範(協調的安全保障、人権、人道的介入)の意味解釈が、政策の形態と実施をめぐる加盟国間のインタラクションを通して変化する過程を政策実施論と実践理論を応用した分析モデルを用いて検証する。規範研究の分析モデル群は、規範が国際制度の政策目標として定着する過程、いわば規範が「制度化」される過程を主な分析対象としているため、規範が政策として実施される過程は先行研究の盲点になっている。規範の政策化と実施段階における変容メカニズムを解明することで、国際規範の伝播過程の全体像を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2023年度は、まず本研究プロジェクトの研究成果の一部を2023年8月に都内で開催されたInternatioanl Studies Association(ISA) Asia-pacificの研究大会において、パネルを組んで発表した(パネルのタイトルは、"The Nexus between Norms and Practices in ASEAN-centric Multilateralism")。パネルには、本研究と同様にPractice theoryの観点から東アジアの地域制度の動態を考察することに関心を持つ研究者に参加してもらい、本研究とそれら研究者の研究成果との比較考察を行った。3月に参加した国際学会と同様に、多くの研究者から有益なフィードバックを得たことで、本研究の理論面における成果に自信を深めることができた。 また2023年度は、過去4年間、コロナ禍のために実施できなかったASEAN諸国における聞き取り調査をようやく実行することができた。具体的には、2023年10月にインドネシア:ジャカルタおよび2024年3月にタイ:バンコクとマレーシア:クアラルンプールを訪問し、各地で主に人道的危機問題に対するASEANのアプローチに詳しい政府関係者やその他有識者と意見交換を行った。これでようやく事例研究に必要なデータを(全てではないが)収集することができた。上記以外にも、ASEANの政策決定過程を解明すべく、ASEANの官僚組織に関する研究も行ったが、偶然研究成果を研究書(編著本)の一部として発表できる機会を得たため、論文としてまとめた。同研究書は、2024年度中に海外の出版社から刊行される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究が遅れている最大の理由は、過去4年間、コロナ禍により海外渡航が難しくなり、事例研究に必要なデータを十分に収集できていなかっため、研究成果としての論文の執筆を十分に進めることができなかったことによる。2023年度に国外で聞き取り調査を2回実施することができたので、研究の進展度を大幅に高めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、研究の最終成果として、論文を評価の高い国際学術誌上で発表することを目標とし、引き続きの論文の執筆に取り組むと同時にデータ取集を完結させるため、再び東南アジア諸国で聞き取り調査を行う予定である(具体的には、秋までジャカルタとシンガポールを訪問する予定)。
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