研究課題/領域番号 |
19K01518
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
松村 博行 岡山理科大学, 経営学部, 教授 (60469096)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 米中大国間競争 / 科学技術イノベーション / 経済安全保障 / デュアルユース技術 / 防衛装備開発 / 輸出管理 / 国防イノベーション / イノベーション・エコシステム / エコノミック・ステイトクラフト / 米中対立 / デカップリング / デリスキング / デュアルユース / イノベーションエコシステム / 米中デカップリング / 投資規制 / 高度人材 / イノベーション / 安全保障 / エマージングテクノロジー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、2つの課題を同時に進行させる。 第1の課題は、米国のイノベーションを取り巻くマクロな見取り図を構築することである。これは、民生分野と防衛分野のダイナミックな相互作用をシステムとして把握することが目的となる。 第2の課題は、当該分野に関わる多様なアクターの意思決定プロセスを明らかにすることである。ここでは、1.防衛研究開発におけるオープンイノベーションを追求する立場(DoD)、2.エマージンテクノロジーの輸出管理を強化する立場(大統領府、CFIUS等)、3.米国内のイノベーションを推進する立場(大統領府、DoC等)、4.イノベーションの担い手(企業、業界団体、大学等)がその対象となる。
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研究成果の概要 |
まず,米国において,防衛装備に実装可能な新興技術のイノベーションを振興し,その成果を防衛装備開発に取り入れる枠組みが防衛政策の範疇において構築されたことを明らかにした。その上で,イノベーション・エコシステムという視点からこの取り組みの特徴を把握した。 次に米国内で創出されたイノベーションの成果を保護し,中国等への流出を厳格に管理する政策的枠組みが強化されたプロセスについて明らかにした。ここでは,トランプ政権下で誕生したものがバイデン政権に引き継がれ,その間に内容がより精緻化,あるいは適用範囲が拡大されていることから,このイシューに関しては党派間の差はほぼ存在しないことを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的成果として「安全保障研究とイノベーション研究の架橋」に一定成功したことを挙げる。これは『国際安全保障』49巻1号において,報告者の責任編集による特集号「イノベーション・エコシステムと安全保障」が刊行したことにより実現した。イノベーション・エコシステムの議論において防衛セクターへの言及がほとんどなかった中で,本特集号は防衛セクターの位相をそこに組み込むことに挑戦した。 社会的意義としては,米中対立が激化する中で企業経営においても安全保障の視座が求められるようになった今日において,その焦点となるテクノロジーを巡る角逐,そしてその政策的対応の実態を見取り図的に提起できたことを挙げる。
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