研究課題/領域番号 |
19K01535
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
黒木 真子 (松井真子) 愛知学院大学, 文学部, 准教授 (80711324)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | オスマン帝国 / 条約 / カピチュレーション / 国際法史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、オスマン帝国をめぐる国際関係の歴史的変容を、歴代君主がヨーロッパ諸国の王に発出した「条約の書=アフドナーメ」を手がかりとして検討する。本研究の基本は外交史料の実証にあり、初年度から毎年海外でのオリジナルな文書史料収集を行う。主な対象国はトルコ、イギリス、オランダを予定しており、オスマン語、欧語の史料収集につとめる。収集した史料の読解を進め、非ヨーロッパ地域体系の比較・解明という問題意識をもって帝国をめぐる国際関係の前近代における変容を分析する。
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研究実績の概要 |
2022年度も引き続き、オスマン帝国の条約の書(アフドナーメ)について、その原文テキストの転写と解題を行い、それらの歴史的意義について考察した。コロナ禍の影響で当初計画していた海外での資料収集は実施できなかった。しかし既に収集済みの資料などの読解を進め成果を論文として発表するなどし、計画を修正しつつ研究を進めた。 研究成果は18世紀前半におけるオスマン帝国とハプスブルク君主国の関係や、スウェーデンとの関係をまとめて、愛知学院大学人間文化研究所紀要『人間文化』や『愛知学院大学文学部紀要』に発表した。現在条約の書にみられる「最恵国条項」について和文で発表した論文の英訳をおこなっており、それを『人間文化』に投稿予定である。 また科学研究費学術変革領域研究(A)「イスラーム的コネクティビティにみる信頼構築」B01班および「外交のグローバル・ヒストリー」による共催国際ワークショップ“Trade, Diplomacy and Capitulations in Early Modern World”にて、"Dutch Encounters with the Ottoman Empire: Did Ottoman Capitulations influence Dutch Eastern Diplomacy?"の報告を行った。 昨年度も東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の髙松洋一教授と定期的に「アフドナーメ研究会」をオンラインで実施し、アフドナーメのオスマン語テキストの校訂、和訳と解題作業に取り組んでおり、いくつかの条約をまとめて共著での条約集としての出版を計画している。研究会の成果の一環として年度末にはオスマン文書セミナーに講師として参加し、オスマン帝国のアフドナーメについて解説した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実施を計画していた海外調査・資料収集は、引き続きコロナ禍およびウクライナ情勢の影響もあり行うことができなかった。計画を修正し、既存の資料の読解、成果の学術論文や研究報告での発表を通じて計画を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は最終年度に当たり、これまで実施できなかったトルコでの資料収集を実施する予定である。また国内で条約文書の検討を進め、本研究もふまえ研究論文や学会報告、また単著としてまとめたいと考えている。 なお東京外国語大学アジア・アフリカ研究所、髙松洋一教授との「アフドナーメ研究会」を継続して上述のとおり共編の条約集としての刊行を目指し研究を進めている。
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