研究課題/領域番号 |
19K01536
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
鳥潟 優子 同志社女子大学, 現代社会学部, 准教授 (60467503)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 国際関係史 / アメリカ外交史 / 脱植民地化 / 冷戦史 / 同盟関係 / アジア / 欧米関係 / 東南アジア / 冷戦 / 同盟 / 外交史 / アメリカ |
研究開始時の研究の概要 |
アメリカは戦後、世界的覇権を確立して以降、ベトナム戦争やイラク戦争など、長期的視野を欠いた無謀な軍事介入を重ねてきた。しかも、戦争開始に至る過程ではよく似たパターンが繰り返されており、個々の指導者らの誤りや体質に問題があるというより、むしろ背後にアメリカ外交の構造的な特徴が隠されていることが強く示唆される。本研究は、ベトナム戦争の泥沼への起点となった40年代から50年代の東南アジアへの介入が、いかに始まり深まっていったのかを実証的に跡付けることで、この構造を明らかにする。
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研究成果の概要 |
アメリカのインドシナ関与の開始については既に多方面から検証が進んでいたが、東南アジア(旧)植民地・各地域に対するアメリカの政策の相互連関を検証しようとする分析は稀であった。先行研究では植民地戦争としての色彩が濃いインドネシア独立戦争と、西欧や中国由来の冷戦の脅威が強調されるインドシナ戦争とは異なる性質のものと理解されてきた。本研究では、欧米各国の政府一次資料に基づいてアメリカのインドネシア独立戦争への介入開始からインドシナ戦争への経済・軍事支援へと展開する軌跡を追い、この2つの戦争をめぐるアメリカ外交に強い継続性を見出した。アメリカ東南アジア関与の見過ごされてきた一端の解明を目指した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、戦後アメリカの東南アジア外交の起源の一つを解明し、アメリカが戦後初めてこの地域に介入したものの先行研究で忘れられがちであったインドネシア独立戦争がもたらしたアメリカ外交へのインパクトを再発見し再評価を行ったことである。さらに冷戦と脱植民地化・民族自決の推進の動きが錯綜する東南アジア各地の情勢について米国務省は政権内や議会でコンセンサスを形成するために行った「反共の論理」を強調する言説が政策の「イデオロギー化」を招きアメリカ外交の手足を縛っていく過程を解明した。これは今日にも通じるアメリカ外交の構造的なパターンを示しており社会的意義も包摂する研究成果として位置づけられよう。
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