研究課題/領域番号 |
19K01543
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤田 真哉 名古屋大学, 経済学研究科, 准教授 (80452184)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 二部門モデル / ケインズ派 / ミッション志向 / 構造変化 / 経済成長 / 公共調達 / 産業政策 / クラスター分析 / 二重労働市場 / 個人的所得分配 / 最低賃金 / 制度的調整 / 所得格差 / 機能的所得分配 / 財政政策 / 金融政策 / 稼働率 / 経済政策 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,ケインズ型動学マクロモデルを多部門に拡張し,財政金融政策によってもたらされるある特定の産業の成長と衰退が経済成長の源泉になりうる条件を析出する。具体的には,第1に低生産性部門と高生産性部門からなる二部門モデルを構築し,財政政策の変化に基づく低生産性部門から高生産性部門への需要のシフトが,産業レベルおよびマクロレベルの経済成長率と失業率に与える影響を分析する。第2に輸出財生産部門と国内財生産部門からなる二部門モデルを構築し,各部門における資本生産性・労働生産性の上昇,並びにマクロレベルの金融政策の変化が産業レベルおよびマクロレベルのパフォーマンスに与える効果を分析する。
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研究成果の概要 |
本研究では,政府のミッションに沿う部門とミッションに沿わない部門から成る二部門モデルを構築し,公共調達政策が各産業とマクロレベルのパフォーマンスに与える効果を理論的に分析した。政府が支出をミッションに沿う第1部門に優先的に振り分けると,第1部門の稼働率は増加し,第2部門の稼働率は低下する。また,マクロ経済の稼働率や経済成長率は,第1部門の労働生産性が第2部門のそれに比して十分に高いときに,促進されることになる。さらに,同様の条件が満たされるとき,ミッションに沿う財がミッションに沿わない財に比して相対的に増加することになる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
社会課題の解決が急務となっていることは論を俟たない。しかし問題解決が急務であるからこそ,社会はしばしば即効性のある答えや策を求めがちである。社会的なミッションに沿う財はしばしば未発達な幼稚産業であるがゆえに,そうした財を生産する産業は初期時点では労働生産性が低い。そのため,ミッションに沿う産業を政府が公共調達によって支援しても,マクロレベルの成長には結びつかない。とはいえミッションに沿う産業は将来性があり,その労働生産性は急速に成長する可能性がある。ミッションに沿う産業に対する政府の支援は,その開始当初は効果が薄いかもしれないが,時間がたつにつれてマクロレベルの大きな成果を生み出すことになる。
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