研究課題/領域番号 |
19K01547
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 立命館大学 (2022-2023) 広島大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
柿中 真 立命館大学, 経済学部, 教授 (40421234)
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研究分担者 |
小谷 浩示 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 教授 (80422583)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 自発的協力 / 社会文化の垂直・水平伝承 / 社会選好 / フィールド調査・実験 / 社会文化的背景 |
研究開始時の研究の概要 |
開発途上国では近代化に伴い公共財供給や資源配分等社会の非持続性問題が顕著になっており、その解決には各個人の自発的協力が重要視されている。自発的協力は各個人の社会選好(social preference)と関係しており、社会選好は地域の社会文化的背景に依存している。近代化とともに社会文化的背景も変化しているが、その伝承経路は①世代間の垂直伝承と②世代内の平行伝承に大別される。本研究では、社会文化の垂直・水平伝承を明示的に組み入れた経済理論モデルを基に、開発途上国での近代化が個人の社会選好及び自発的協力行動に与える影響について、フィールドワーク(実験やサーベイ等)を通じて理論的・実証的に分析する。
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研究実績の概要 |
開発途上国において、近代化の進展に伴い公共財供給や資源配分等社会の非持続性問題は最重要課題の一つとなっている。その解決には各個人の自発的協力が重要視されている。自発的協力は各個人の社会選好と関係しており、社会選好は地域の社会文化的背景に依存している。近代化とともに社会文化的背景も変化しているが、その伝承経路は①世代間の垂直伝承と②世代内の平行伝承に大別される。本研究では、社会文化の垂直・水平伝承を明示的に組み入れた経済理論を基に、開発途上国での近代化が個人の社会選好及び自発的協力行動に与える影響について、フィールドワーク(実験やサーベイ等)を通じて理論的・実証的に分析する。
令和5年度は、前年度までに取り組んだ①近代化、②社会文化の伝承、③協力の動機を形成する社会選好に関する体系化・分類化を含む理論的背景を基に、世代間の垂直伝承と世代内の平行伝承が個人の社会選好及び自発的協力行動に与える影響について分析することを試みた。具体的には、これまで世界的コロナ渦及びそれに伴う現地行政機関の混乱のため延期を余儀なくされていた複数の開発途上国(フィリピン、スリランカ、キルギス)でのフィールド調査・サーベイ実験を実施した。得られたデータを基に、統計分析を行い、論文三本を執筆した。三本ともインパクトファクター付国際学術雑誌に投稿し、現在、レビュー待ちの状況である。
研究期間全体を通じた研究については、研究の進捗に遅れが生じたものの、カンボジア、フィリピン、スリランカ、キルギスを含む複数の開発途上国で自発的協力・参加・供給の動機付けと社会的背景についての検証を実施することができ、複数の論文を完成させた。今後の課題としては、これらの論文すべてを国際学術雑誌の出版すること、及び、本研究課題の中心である「世代間の垂直伝承と世代内の平行伝承」に関する分析の精緻化を行うこと、があげられる。
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