研究課題/領域番号 |
19K01554
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
中元 康裕 関西大学, 総合情報学部, 教授 (10552200)
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研究分担者 |
三野 和雄 京都大学, 経済研究所, 特任教授 (00116675)
胡 云芳 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (30379466)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 不平等分析 / 経済主体の異質性 / 新古典派成長モデル / 貿易 / 分布関数 / 資源配分 / 国際貿易 / 家計の異質性 / 構造変化 / 不平等 / 経済動学 |
研究開始時の研究の概要 |
所得不平等を分析する上で、個人の異質性をモデルに反映することは重要である。そこで、本研究では、家計の効用関数の異質性が不平等に果たす役割について解明する。この課題に包括的に取り組むため、閉鎖経済モデルと、国際貿易を考慮する開放経済モデルでの国内の不平等分析を行う。開放経済モデルを扱う理由は、貿易構造が国内の所得不平等に与える効果を考慮するためである。最終的に、数値シミュレーションを実施し、財政政策の所得層ごとに異なる量的効果などを確認する。
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研究実績の概要 |
本年度は、昨年度から継続している国際貿易モデルの分析に主に取り組んだ。本年度の研究成果は以下のとおりである。 (1) 国際経済学で標準的なヘクシャーオーリン型のモデルにおいて、昨年度、主要な解析的な発見と数値計算は終了していた。本年度は、日本国際経済学会での論文報告後、指摘されたコメントを踏まえ以下の点を修正した。第1に、効用関数の相似・非相似の違いが原因で生じる資産の不平等に加え、2国の資産格差をもとに、2国の貿易パターンについて解析的に分かる点を付け加えた。又、異時点間の代替の弾力性と絶対的回避度の違いを考慮し、2国の資産の不平等とそれぞれの国の不平等の拡大・縮小の結果を数値計算で示した。この論文は近日中にDiscussion Paperとして発表予定である。 (2) 国際マクロ動学モデルにおいて、少子高齢化問題と貿易の関係を調べる共同研究を昨年度開始した。その中で、小国開放経済モデルにすることで、より本質的な課題解明ができる可能性があることが分かった。そこで、現在、2国モデルの前に、小国開放経済モデルでの研究を実施している。本研究は今後も継続して行う予定である。 研究期間を通じて実施した研究成果は以下の通りである。 (1)一般的な効用関数を用い、多数の個人が存在する閉鎖経済モデルを通じて資産不平等を分析し、その成果をまとめた。(2)動学的ヘクシャーオーリンモデルを用いて、効用関数の相似・非相似型に着目し、国際・国内の不平等と貿易パターンを分析し、その成果をまとめた(3) 企業の生産性の異質性に焦点を当てた2国間の国際貿易モデルで、企業の生産性分布の違いがもたらす効果を解析し、成果をまとめた。(4) 人口変化を考慮したマクロ動学モデルを用いて、少子高齢化問題と貿易の関係を解析中である。
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