研究課題/領域番号 |
19K01562
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
野口 雄一 関東学院大学, 経済学部, 准教授 (60323903)
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研究分担者 |
中泉 拓也 関東学院大学, 経済学部, 教授 (00350546)
藤原 正寛 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 名誉教授 (40114988)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | VSRPD / 社会ゲーム / プラットフォーム / 法と経済学 / ランダムマッチングゲーム / 規制の事前評価 / 不完備契約理論 / 不完全観測繰り返しゲーム / 企業特殊訓練 / 企業普遍的訓練 / learning / hold-up problem / firm specific training / general training / 労働市場 / 不完全観測の繰り返しゲーム / social game / plattform / Bayesian Learning / incomplete contract |
研究開始時の研究の概要 |
まず、研究分担者の藤原(奥野)がVSRPDのモデルを精緻化する。特に有限期間の行動履歴の下で、永続的な協力が始まる均衡が存在するかを理論的に解明する。次に、研究代表者の野口がlearningの手法を適用し、behavioralなエージェントに限定した場合、このVSRPDのno information flowの仮定の理論的拡張が可能かどうかという点を中心に考察する。最後に研究分担者の中泉がプラットフォームやブロックチェーンの経済活動の理論的な分析を行う。
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研究実績の概要 |
まず、奥野、中泉はこれまで行なってきたVoluntarily Separable Repeated Prizner's Dillema Gamesの東京、バンコク、イスラマバードで行った国際比較の分析を行った。東京では一度協力に到達したペアはどのようなゲームでも協力率が下がらないため、VSRPDと通常の繰り返しゲームとの差の分析が困難であった、それに対して、イスラマバードやバンコクでは、 各ゲームでの協力率が異なり、それぞれのゲームの差を分析することができるということが示され、今後の研究の足掛かりとなった。また、繰り返しゲームの実験の様式を踏襲するため、追加の実験を東京大学で行った。 次に中泉は、商法等の軽減規定のマルチタスクモデルを用いた分析をおこなった。特に、軽減規定の目的をマルチタスクの問題に外部性が存在するケースを用いて考察した。立証可能な業務と立証不可能な業務があり、立証不可能な業務には外部性が発生する場合、立証可能な業務のみインセンティブを課すと立証不可能な業務の努力水準がより低下する。加えて、社会的な最適水準も更に低下する。これよりインセンティブを軽減する責任軽減規定を導入することが社会的にも望ましいことが示された。結果は関東学院大学経済経営研究所年報[2024]で公表した。更にプラットフォームの経済分析では、通常、2 sided network effectがあるプラットフォームにおいては、強固な自然独占が発生し、複数のプラットフォームが林立することを説明することが理論的に難しい。ところが、ライバーアプリでは実質的にプラットフォームであるにもかかわらず、多数のアプリが競合している。この点について、解明することを重要な課題として認識した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Voluntarily Separable Repeated Prisoner’s Dilemma (VSRPD)の研究を10年間行ってきており、昨年度国際比較についてもおおよそ整理することができた。昨年度完成する予定だったものの、追加の実験を行う必要が生じたため、本年度完成することとしたい。 また、中泉は、2022年に規制の事前評価に関する制度的なポイントと改善策について Impact Assessment for Developing Countries: A Guide for Government Officials and Public Servants' https://link.springer.com/book/10.1007/978-981-19-5494-8 にまとめた。今後は各論点を論文としてまとめていくことが課題であり、本年度はそれを実現していきた い。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、VSRPDの研究成果他、他の研究についても成果を公表していくこととしたい。
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