研究課題/領域番号 |
19K01579
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07020:経済学説および経済思想関連
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研究機関 | 大月短期大学 |
研究代表者 |
伊藤 誠一郎 大月短期大学, 経済科, 教授(移行) (20255582)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 初期近代 / イギリス / 銀行 / 道徳性 / 経済思想 / ブリテン / 17世紀 / 18世紀 / 紙券信用 |
研究開始時の研究の概要 |
金融の拡大と破綻という繰り返しは、南海泡沫事件以降今日に至ってもなお続くが、本研究では、こうした金融の可能性と不安定性の問題を、17世紀末のイングランド銀行設立の頃の土地銀行論争、それに続くチャールズ・ダヴナント、ジョン・ロー、サー・ジェームス・スチュアート、アダム・スミスらが展開した紙券信用論とその継承関係に焦点をあて、17世紀末来の議論において、紙券の過剰発行の危険、銀行経営の破綻が常に懸念され、そうした問題に対する対策として、紙券信用の裏づけとなる、担保、基金を十分なものとするだけでなく、それが組織としていかに信頼に足るものとして管理されるべきかが最大の検討課題となっていたことを示す。
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研究成果の概要 |
本研究では、金融の可能性と不安定性の問題を、17世紀末の土地銀行企画家たち、チャールズ・ダヴナント、ジョン・ロー、サー・ジェームス・スチュアート、アダム・スミスらがブリテンで展開した紙券信用論の継承関係に焦点をあてながら検討する。これらの議論においては、紙券信用の量的無限性が力説される一方で、紙券の過剰発行の危険、銀行経営の破綻が常に懸念され、そうした問題に対する対策として、紙券信用の裏づけとなる、担保、基金をいかにして十分なものとし、それが組織としていかに信頼に足るように管理されるべきかが最大の検討課題となっていたことを示す。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代に至るまで金融危機が起こるたびに、それはなにか例外的な悲運のように語られ、道を踏み外した自らを戒めることが繰り返されてきた。しかし、そもそも「近代」というものを作り上げていった近代初期の思想家たちは、危機とは必然的に、そして生来的に我々の社会が抱えているものであり、それを普通ではない、anormalなものではなく、むしろ常に内在するものと考えていた。本研究では金融に関する思想史を振り返ることによって、彼らが知的に葛藤したのは、anormalなものを排除するのではなく、どう共生するかにあったということを、現代人に喚起することに本研究の学術的・社会的意義がある。
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