研究課題/領域番号 |
19K01583
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07030:経済統計関連
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研究機関 | 岐阜聖徳学園大学 (2022) 新潟経営大学 (2020-2021) 帯広畜産大学 (2019) |
研究代表者 |
姜 興起 岐阜聖徳学園大学, DX推進センター, 教授 (70254662)
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研究分担者 |
姚 峰 香川大学, 経済学部, 教授 (90284348)
野田 英雄 東京理科大学, 経営学部ビジネスエコノミクス学科, 教授 (90347724)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 景気の予測分析 / 時系列の成分分解 / 株価変動の分析 / 景気変動指標の構築 / ベイズ法 / 原油価格の分析 / 国際間の関連分析 / 景気動向指標の構築 / 日本の経済分析 / 新型コロナウイルス感染拡大の影響分析 / 景気予測 / ビッグデータ / 経済変動分析 / 原油価格変動分析 / 経済変動 / 動的構造分析 / 経済データ分析 / 景気動向 / 実証研究 / 統計解析 / 日本経済 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、日本の各種経済指標と国内総生産(GDP)との動的関係を解析し、経済指標とGDPとのフィードバックループを解明するために、景気変動メカニズムに関する実証分析の統計モデルを構築する。また、構築した景気変動メカニズムの統計モデルに日銀短観、日経POS情報サービスや貿易・金融などのビッグデータを利用する方法を提案し、精確性と迅速性の両面から実用性の高い景気変動予測分析のツールを開発する。
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研究実績の概要 |
令和4年度は、主に次の研究課題に取り込んだ。(1)新規提案の景気変動指標を作成する方法とアルゴリズムの精緻化を行った。新規提案では、景気分析の一致指標を長期変動や循環変動などの成分に分解し、各指標における循環変動の主成分を用いて景気変動指標を構築した。パラメータの推定において、モデル尤度の最大化と景気動向指標分散の最大化の統一に改善の余地が残った。これを2段階最適化という方法の提案により2つの最大化を調和させパラメータ推定法の精緻化ができた。また、最新のデータを取り入れて景気変動指標のパフォーマンスを向上させた。(2)株価のデータから景気動向に関する情報抽出の方法を提案した。具体的に日経平均株価(NSA)を株式市場の代理変数に、日本のCI指数(CIJ)を景気変動の指標として、時変係数を持つ回帰モデリングの手法を用いてNSAとCIJ間の動的相関関係を分析した。(3)コロナの中で国際原油価格変化におけるダイナミクスを分析するために、多変量時系列の一方向因果性の計測方法を使用して、中国、日本やオマーンの原油先物価格間の動的な影響関係を解析し、原油価格形成の影響要因を考察した。 主要な結果は次のとおりである。(1)1975年1月~2019年12月の月次データを用いて新規構築の景気動向指数のパフォーマンスを確認した。例えば、GDPを参考指標とみなせば、現行の一致CIと比較して新規構築の景気動向指数はGDPにおける循環変動との間に強い相関がみられる。関連の研究成果を国際学術誌に発表した。(2)1991年1月から2018年9月までのNSAの日次時系列データと、同期間におけるCIJの月次データを分析することによってNSAとCIJのリード・ラグ関係を推定した。(3)日本の原油先物価格は現在東アジアで主導的な影響をもっていることに対して中国の原油先物価格は強い影響がみられない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
景気変動メカニズムを解析するためのモデル構築と方法の開発が完成しており、モデルとアルゴリズムの精緻化も行った。また、経済指標、株価や原油価格などのビッグデータを活用した景気動向関連分析も行っている。新型コロナウイルス感染拡大に関わる社会情勢にいながら、研究代表者と分担者は研究を着実に進めており、共同で新規の研究成果を国際学術誌に投稿・掲載し、関連国内外の学会にも報告した。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの影響による研究成果の発表等の困難を補うために、本研究の計画を令和5年度に延長している。基本的に当初の研究計画に沿って研究を進めつつ、景気変動メカニズムの分析に重点を置いて取り組む。令和5年度は、景気変動のメカニズムを解明するための実証研究を深めながら、研究成果を広範囲に公開していく。
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