研究課題/領域番号 |
19K01593
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07030:経済統計関連
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
小野崎 保 立正大学, 経済学部, 教授 (10233595)
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研究分担者 |
齊木 吉隆 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (20433740)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 同期 / 地域景気循環 / 景気動向指数(CI) / 鉱工業生産指数 / ヒルベルト変換 / フーリエ・バンドパスフィルター / コンポジット・インデックス / 景気循環 / 地域間同期現象 / 非線形結合力学系 |
研究開始時の研究の概要 |
一国内の地域間の景気循環はどのようなメカニズムを通じて同期し、マクロ的な景気循環を生み出し、さらにマクロの景気循環はどのように地域にフィードバックされるのだろうか。この問いに答えるため、本研究課題では都道府県レベルでの同期現象をまず実証的に明らかにし、そしてそれを理論的に説明するためのモデルを構築・分析する。モデル構築の視点としては、輸出入あるいは移出入による直接的なリンク以外に、企業の予想などを通じた景気循環のカップリングなどに着目しつつ、マクロの景気変動における地域間の同期レベルの変遷がどのようにしてミクロレベルから生み出されるかを解明する。
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研究成果の概要 |
一国の景気循環を地域ごとに見ると、山・谷のタイミングおよび拡張・後退期の持続期間に差異のあることが知られている。本研究では、日米の地域別景気循環の月次データ(日本:1978-2018年、米国:1979-2021年)を用いて、地域景気循環の同期について分析を行った。同期の度合は時間とともに変化するので従来の相関分析を適用することができない。そのため、非線形科学の諸分野で用いられる手法を援用した。分析の結果、地域景気循環の同期の度合はマクロ経済の後退期において上昇し、拡張期において下降すること、すなわち、マクロ経済の後退期と拡張期において地域間同期には非対称性の存在することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地域間の景気循環の同期の度合がマクロ経済の後退期において上昇し、拡張期において下降するという現象は、これまでの研究においてはある特定期間における特殊な現象として部分的に観察されていたに過ぎない。これに対して、本研究では従来と異なる同期解析の手法を用いることにより、景気後退期と拡張期における地域間同期の非対称性が、少なくとも日本と米国の月次データにおいて普遍的に観測することができた。この知見は、景気循環というマクロの現象の性質を理解する上で重要な役割を果たすであろう。また、応用面について言えば、政策当局が景気対策を実施する上できわめて重要な情報を提供すると考えられる。
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