研究課題/領域番号 |
19K01636
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 南山大学 (2020-2022) 関東学院大学 (2019) |
研究代表者 |
神野 真敏 南山大学, 経済学部, 准教授 (10533648)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 年金積立金 / 人口動態 / 年金財政 / 労働受け入れ / 教育負担 / 失業 / ポートフォリオの見直しの影響 / 持続可能性 |
研究開始時の研究の概要 |
年金積立金の運用先として、人口動態の差の影響を考慮できる理論的なモデルを構築し、現実的な値のもと、投資先として外国の割合を高める影響を明示的に示すことを目的としている。また、学術的な独自性と創造性は、本多(2012)では捨象されている海外部門を考慮し年金制度の持続可能性の議論を深める点、そして、その際に人口動態の差、「老いている国」と「若い国」を考慮しつつ、年金方式の差にも注目して影響を明らかにしようとしている点にある。
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研究実績の概要 |
本研究は、投資先としての人口動態の差、「老いている国」と「若い国」の違いに注目しつつ、年金積立金のポートフォリオの見直しが年金の持続可能性・リスクの世代負担にどのような影響をもたらしたかを明らかにすることにある。その際、本多(2012)の研究をもとに、人口動態を考慮できるモデルを構築し、2014年以降に実施されている年金積立金のポートフォリオの見直しによる影響を分析することを主な研究方法と考えていた。 そのため、本多(2012)の研究を詳細に見直し、その研究成果を再現することにした。その上で、人口動態を考慮したモデルの構築に努めている。現状において、債券のディフォルトの可能性も考慮しつつ、さらにはベイズ統計学の分析手法を用いて、将来の収益率の推計に人口動態を応用する可能を探っている。ただ、これらの研究は、可能性を探ることに終始したため、まだ十分な成果を得られていない。 その一方で、年金積立金の運用と関連がある、海外からの人の受け入れによる年金財政の改善の可能性を考慮したモデルを構築した。その際、受入国の労働者の生産性に対する影響や年金方式の差も考慮した形で、受け入れによる影響を分析した。この研究成果は、MPRA PaperにおけるWorking Paperとして収録されている。この研究では、受入国の労働者と海外労働者との間の関係が、完全代替ではなく、不完全代替の関係であれば、受入国の労働者の賃金は改善する可能性や、年金方式が異なることで、その厚生への影響も異なってくることを導いている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本多(2012)の研究を詳細に見直し、その研究成果を再現した。その上で、債券のディフォルトの可能性や、また人口動態を考慮した収益率に対する将来推計を考慮しなければならない。今年度も、その可能性を探ることに終始する結果となった。 また、新型コロナの影響を受け、研究に十分な時間を費やせていなかったことも一因と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本多(2012)の研究に、人口動態を考慮した上での年金積立金のポートフォリオの見直しの影響を含められるよう、さらには年金積立金の運用先のディフォルトの可能性やベイズ統計学に基づくシミュレーションも考慮できるよう、これまでの研究を深化させ、最終的な研究成果をあげられるように努めたい。
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