研究課題/領域番号 |
19K01646
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 関西学院大学 (2022-2023) 東京工業大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
大土井 涼二 関西学院大学, 経済学部, 教授 (90433292)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 経済成長 / 国際貿易 / 信用市場の不完全性 / 金融摩擦 / 企業の異質性 / 金融ショックの国際波及 / 金融ショック / 景気循環 / 金融市場の不完全性 / 内生成長 / R&D / イートン・コータム型リカードモデル / 貿易の内延・外延 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は「ある国で起こるクレジット・クランチなどの金融ショックはどのように国際的に波及し,別の国の景気循環に影響を与えるのだろうか?」という問いに対して,「複数の財の国際貿易」を金融ショックの波及経路として明示的にマクロ経済モデルに導入したうえで理論,定量の両面から答えを与えることを目的とする.本研究では,まず「財の貿易だけで,現実の国際波及のどのくらいの割合が説明可能なのだろうか」について分析を行う.その後,波及経路として国際金融取引と国際貿易の両方を捉えたモデルを用いて,それぞれの国際波及力を比較する.
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研究実績の概要 |
今年度は、これまでに行ってきた研究を"A heterogeneous-firm model of trade and growth with country-specific credit constraints"の題で論文としてまとめ、所属する大学のディスカッション・ペーパーとして公開した[三野和雄教授(京都大学)、胡云芳教授(神戸大学)との共同研究]。
この研究の目的は、ある国の金融ショックがその国だけでなく貿易相手国の成長率に与える影響を理論的に検討することである。そのために、本研究では中間財企業と起業家という2種類の主体に異質性を持たせた2国モデルに金融摩擦の国際的非対称性を導入し、以下の結果を解析的に導出した。第一に、ある国でクレジット・クランチが起こるとその国の中間財企業の退出を増加させる一方、他国の中間財企業にとっては輸出の収益性が低下し、輸出していた幾つかの企業が国内販売へシフトする。第二に、信用収縮は長・短の両期において2つの国の成長率を低下させる。さらに、国際波及チャネルとして(i)貿易だけを考えたケース、および(ii)貿易と国際金融取引の両方を考えたケースとでクレジット・クランチの影響を比較した結果、両国の長期成長率への影響はケース間で非常に類似していることが分かった。
また、単著の論文"Financial shocks to banks, R&D investment, and recessions"が査読誌に掲載が許可された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題に関する新たな論文がプレプリントとして公開され、また別の論文が査読誌に掲載が許可されたので。
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今後の研究の推進方策 |
先述の論文"A heterogeneous-firm model of trade and growth with country-specific credit constraints"を査読誌に投稿し、レフェリーのコメントに従い論文を修正する。
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