研究課題/領域番号 |
19K01678
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
鎰谷 宏一 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (50368552)
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研究分担者 |
友田 康信 広島大学, 人間社会科学研究科(社), 教授 (30437280)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | アンチダンピング関税 / 経済動向 / 選挙制度 / 貿易歪曲効果 / ダンピング / 貿易政策 / 寡占産業 |
研究開始時の研究の概要 |
テーマ①「寡占産業におけるアンチダンピング関税と企業投資の経済分析」では、価格が変動する状況下にある寡占産業におけるAD関税と企業の投資行動の関係を理論的に分析する。特に、AD関税の存在が、寡占企業の投資を過剰にするのか、または過小にするのかについての知見を得たい。テーマ②「日本のAD関税発動の効果に関する経済学的分析」では、日本のAD関税の貿易減少効果・貿易転換効果・嫌がらせ効果・貿易萎縮効果について財務省「貿易統計」の月次データをなど用いて実証分析を行う。分析の際、対象品目の特性、市場構造、AD関税水準の差、他国のAD関税実施状況などを考慮に入れる。
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研究実績の概要 |
2022年度の研究成果は、以下の2つである。 第一に、選挙制度とアンチダンピング関税の関係を分析した論文 “Electoral systems and antidumping in democratic countries”を、コメントなどを参照にして修正しながら、書き上げた。そして、この論文をある海外学術専門誌に投稿した。しかしながら、結果はリジェクトであった。理論分析の新規性や実証分析の手法に関して大幅な改善をすることを求められた。これらの点を改善することは容易ではないが、できるだけ早く別の海外学術専門誌に投稿することを目指したい。 第二に、日本のアンチダンピング関税発動の効果に関する実証分析を行い、論文 “The trade effects of Japan’s antidumping policy”の第一稿の執筆にとりかかった。この論文では、最初に、日本はアンチダンピング関税を利用してこなかったにもかかわらず、近年利用するようになったのかについて、数多くの先行研究に基づきながら歴史的に概観した。その後、日本がアンチダンピング関税を課した8品目に関して、アンチダンピング関税が貿易にどのような効果を与えたのかを分析した。具体的には、日本が賦課したアンチダンピング関税が、嫌がらせ効果、貿易減少効果、貿易転換効果をもたらしたかについて、財務省「貿易統計」の月次データを用いて実証分析を行った。分析の結果、いやがらせ効果と貿易減少効果を確認することができた一方、貿易転換効果は明確に確認することができなかった。この結果から、日本のアンチダンピング関税政策は、国内産業を輸入競争から保護する役割を持つことが分かった。この論文を研究会等で発表して色々な研究者からコメントをもらいながら、さらなる改善を重ね、できるだけ早く完成させたい。そして、できるだけ早い時期に海外学術雑誌に投稿したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文”Electoral systems and antidumping in democratic countries”を海外学術雑誌に投稿するための報告や修正などの作業に時間がとられた。また、所属大学の校務などにも時間が割かれた。そのため、作業の進捗状況が遅れていた。しかし、日本のアンチダンピング関税発動の効果に関する経済学的分析を行うにあたり、迅速にデータや資料を収集・整理し、実証分析を行うことができたため、作業の遅れを取り戻すことが出来た。この分析に関する論文 “The trade effects of Japan’s antidumping policy”の第一稿の執筆にすでにとりかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
まず、日本のアンチダンピング関税発動の効果に関する実証分析に関する論文 “The trade effects of Japan’s antidumping policy”が海外学術雑誌にアクセプトされることを目指したい。この研究は、研究協力者として播磨谷浩三氏(立命館大学)を迎えて行っている。何度も共同研究を行ってきた間柄であるため、研究協力体制は万全である上記の研究を滞りなく進めたい。この論文を研究会等で報告しながら、論文を改善し、できるだけ早く海外学術雑誌に投稿することを目指したい。 次に、選挙制度とアンチダンピング関税の関係を分析した論文” Electoral systems and antidumping in democratic countries”についても改善させる方法を早く見つけ、経済分析を改善し、論文を完成させたい。そして、海外学術雑誌への再投稿を目指したい。
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