研究課題/領域番号 |
19K01689
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | フェリス女学院大学 (2023) 東洋英和女学院大学 (2020-2022) 国立情報学研究所 (2019) |
研究代表者 |
袁 媛 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 教授 (40609773)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 技術移転 / イノベーション / 技術者 / 大株主 / 買収 / 特許 / 中国の特許データ |
研究開始時の研究の概要 |
近年、開発途上国企業による、日本企業の技術や技術者の獲得を目的とする買収が急増している。しかし、買収が技術流出や内外のイノベーション活動に与える影響の注目度は高い一方で、それに関する分析はほとんどない。 本研究は、技術者レベルのデータを用い、買収の因果関係の識別について十分に考慮した上で、第一に、買収のイノベーションへの効果がどのように発生するか、メカニズムを浮き彫りにする。第二に、海外企業による買収に特有の効果があるか明らかにする。 本研究の分析によって買収によるイノベーションのメカニズム、海外企業買収による特有のイノベーションの効果について客観的に明らかにすることができる。
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研究実績の概要 |
2023年度は、企業買収後の技術者の発明行動の変化に関する研究と、日本銀行のETF購入政策の影響分析の2つの主要テーマに取り組んだ。 1.企業買収による技術者の移動に関する研究: この研究テーマでは、中国企業による日本企業の買収事例を中心に、技術者の移動がイノベーションに与える影響を探ることを目指した。2023年度は、具体的な進捗を大きく進めることはできなかったが、既存のデータを基に仮説の再検討と研究計画の再整理が行われた。これにより、今後の研究方向性がより明確になり、効率的なデータ分析と結果の解釈に向けた準備が整った。 2.日本銀行のETF購入政策の影響分析に関する研究:研究成果は英文学術雑誌に掲載された。日本銀行のETF購入が企業の経営パフォーマンスに与える影響を詳細に分析したこの研究は、金融政策が経済に与える影響を理解する上で客観的なエビデンスを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、子どもの長期入院に伴う付き添いが必要だったため、研究活動に割ける時間が大幅に制限された。このような状況の中、主要な研究テーマに対する進展は限定的であったものの、以下のような重要な活動が行われた。 1.企業買収による技術者の移動に関する研究: 具体的なデータ収集やフィールドワークの進行は困難だったが、既存のデータベースと文献を再検討することで、研究仮説をさらに精緻化した。これにより、将来的により効果的なデータ分析と結果の解釈が行えるよう、研究計画が整理・調整され、研究の基盤が強化された。 2.日本銀行のETF購入政策の影響分析に関する研究:研究成果は英文学術雑誌に掲載された。日本銀行のETF購入が企業の経営パフォーマンスに与える影響を詳細に分析したこの研究は、金融政策の経済的影響を評価する上で知見を提供した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進方策として、中国企業による日本企業の買収に関する研究では、更新された中国企業の特許データを用いた分析を進める予定。分析結果をもとに論文の執筆を進め、国内外の学会や研究会で研究成果を発表し、広範なフィードバックを得ることを計画している。
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