研究課題/領域番号 |
19K01691
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
安部 由起子 北海道大学, 経済学研究院, 教授 (50264742)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 正規雇用 / 非正規雇用 / コーホート / シングルマザー / 就業率 / 所得効果 / 空間統計 / 就業 / 地域 / 世帯属性 / 雇用形態 / 女性労働 / 労働時間 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、2つのトピックスを研究する。第1は、日本における女性の就業率が上昇した最近30年間ほどの間に、子どものいる女性の就業継続を可能にしたのは、労働時間が短くする施策が導入されたためなのかどうか、を統計データの分析から明らかにする。第2は、近年シングルマザーが増える中にあって、シングルマザーの就業の実態は、シングルマザー以外の女性の就業状態とどう異なるのかを、統計データの分析から明らかにする。その分析を通じて、女性の活躍を促す施策はシングルマザーにも及んでいるのかどうか、を検証する。
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研究実績の概要 |
就業構造基本調査1982年から2017年にかけてのデータを用いた分析を実施した。具体的には、職場の呼称によって正規雇用・非正規雇用を定義したうえで、正規雇用就業率(正規雇用と役員の就業者数を人口で割った指標)、非正規雇用就業率(非正規雇用の就業者数を人口で割った指標)を、女性の配偶関係別に集計した。そしてそれを5年単位のコーホート(同一年出生集団)別にまとめ、2017年までのデータを使ったコーホート別の就業率の推移を計算した。有配偶女性の中では、(1)男女雇用機会均等法施行以降に労働市場に入職した世代(いわゆる均等法世代)が40歳代に達した時点での正規雇用就業率は、その前の世代から大きくは上昇していない、(2)後の時点で生まれたコーホートであるほど、非正規雇用就業率は上昇してきている、の2点が確認された。申請者は以前、2002年までのデータに基づいて類似の傾向を確認していたが、その後の時点(2007年、2012年、2017年)のデータを加えても、同じような状況が確認された。さらに、就業構造基本調査(1992年から2007年)の匿名データを用い、子どもを持つ母親の中でのシングルマザーの割合を、母親の学歴別に計算することで、どの程度シングルマザーが出現しているかを検討した。コーホート別に分析した結果、(1)中学卒・高校卒の学歴において、より後の時点に生まれたコーホートでシングルマザーの割合が高まっている、(2)コーホート間の違いが大きい、の2点がわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、オンサイト施設を利用しての統計データの分析を実施してきたところである。研究代表者がオンサイト施設を利用するには、北海道から東京へ移動をして利用する必要があるが、新型コロナ感染拡大に伴う移動制限や感染予防の観点から、オンサイト施設を利用しての分析は、制約を受けた部分があった。そのため、匿名データや公表集計データを用いた分析を実施したが、これらのデータでは、地域区分や利用できる年次が限定されているという制約があった。
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今後の研究の推進方策 |
オンサイト施設を利用にも一定程度習熟してきたので、2023年度にはそこで得られた成果を発表し、意見をきいたうえで、問題点の修正に取り組みたいと考えている。
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