研究課題/領域番号 |
19K01693
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
坂本 直樹 山形大学, 人文社会科学部, 教授 (80367937)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 地方財政 / 幸福度 / 便益評価 / 幸福度研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、幸福度研究において昨今、研究が蓄積されつつある幸福度関数の推定結果に基づき地方財政運営の経済評価を行う。具体的には、「幸福度調査」に「地方財政状況調査」を組み合わせたデータセットを作成して幸福度関数を多重レベル分析により推定することにより、地方公共団体の財政構造や財政運営が住民の幸福度にどのような影響を与えるか、地方公共団体がどのような財政運営を行うことにより住民の幸福度を高めることができるかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、「幸福度調査」に「地方財政状況調査」を組み合わせたデータセットを作成して幸福度関数を推定することにより、地方公共団体の財政構造や財政運営が住民の幸福度にどのような影響を与えるか、地方公共団体がどのような財政運営を行うことにより住民の幸福度を高めることができるかを明らかにすることである。 本年度は、地方公共団体の施策を通じて住民の幸福度に影響すると思われる死亡リスクや傷病リスクを低減させる公共プロジェクトの評価手法に関する研究を行った。近年、救急搬送の短縮を目的の1つとしたスマートインター等の整備や自然災害への適応策など、地方公共団体は財源制約が厳しくなるなか住民の安全や安心につながる政策を行っており、その幸福度への関連が想定される。研究では、統計的生命の価値や統計的傷病の価値の定義に用いられる期待効用モデルについて、死亡や傷病の原因となる事象を導入することにより拡張し、その原因による死亡リスクや傷病リスクを低減させる具体的な公共プロジェクトの便益を評価する理論的、実証的枠組みを提示した。また、ウツタイン様式データを活用することによって、心肺停止傷病者の救急搬送時間短縮が心肺停止傷病者の救命確率および社会復帰確率を上昇させることによる便益の計測を試みた。 さらに、本年度は、「地方財政状況調査」から得らえる各地方公共団体の目的別歳出の各費目について決算額に対する充当一般財源額の割合を計算し、それを各費目の価格とみなして、特定の年度を基準年とするラスパイレス数量指数とパーシェ数量指数を算出することを試みた。これは、目的別歳出のデータを集計して、顕示選好理論の枠組みで規範的に評価することを可能とするアプローチであるとともに、その算出値を幸福度関数の推定における説明変数として用いることもできると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は新たな視点からの研究の実施など一定の進捗はあったものの、新型コロナの影響等により研究計画が遅延しているため。
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今後の研究の推進方策 |
①「幸福度調査」の実施:コロナ禍前に実施した山形県を対象とした「幸福度調査」があるため、コロナ禍後にこれと同様のデータを取るべく、山形県を対象として「幸福度調査」を実施する。これにより、市町村財政の経済評価を行う。本年度に実施する「幸福度調査」では、昨年度に検討した財政指標の評価に関する設問や、本年度に検討した目的別歳出の構成に関する設問を用意する予定である。さらに、コロナ禍前後で山形県の幸福度がどのように変化したかについても、下記の地方財政の経済評価とともに検討する。
②幸福度関数の推定による地方財政の経済評価:幸福度関数を推定して地方公共団体の財政を評価するために必要な経済理論(厚生測度等)および統計手法(順序反応モデル等)についての検討結果を踏まえて、「幸福度調査」に「地方財政状況調査」を組み込んだ幸福度関数を多重レベル分析により推定し、地方公共団体の財政構造や財政運営の経済評価を行う。ただし、「地方財政状況調査表」は地方公共団体ごとに数多くのデータ項目があり、これらをすべて同時に幸福度関数の説明変数として組み込んで分析するのは現実的ではない。そこで、「地方財政状況調査表」のデータを歳入、歳出、財政指標の3つのカテゴリーに分け、カテゴリー別に幸福度関数を推定して分析するほか、昨年度に検討した「地方財政状況調査表」にない財政指標や、本年度検討した目的別歳出の指数に関する分析を行う。
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