研究課題/領域番号 |
19K01695
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
恩地 一樹 大阪大学, 大学院経済学研究科, 教授 (80709858)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 法人課税 / 消費税 / M&A / 企業結合 / 法人税 / マッチング / マッチング推計法 / 集積推計法 / 合併買収 / 企業行動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではビッグデータを読み解くことを通して,日本の税制がいかに企業行動を左右しているのか,政策的に有用なエビデンスを提供する.複数の企業税制の効率性と公平性を検討するが,令和元年の消費税増税が小規模企業へ与える影響も考察する.具体的には平成26年に行われた3%増税の影響を,民間大規模データを駆使した分析により,どのような非効率的な行動がどれほど発生しているのか検討.今回の増税の影響予想の資料を提供する.
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研究成果の概要 |
1.日本の消費税に着目し,集積推計法という新しい分析方法を用いて大規模データを検証した.消費税では小規模企業の納税事務負担に配慮し免税制度が設けられているが,課税事業者となる売上高水準未満に企業が集中するという副作用の発生を観測.これは一部の小規模企業において売上高の調整が行われていることを示す.免税点を超え課税業者になると税務事務に係る負担が発生するが,この負担を回避することが行動動機である.2.企業結合行動における税的誘因を検証するため,企業同士の相性を勘案できる分析方法を用いて上場企業データを分析.企業結合による借入余力の増加による支払利子損金化の活用は,結合における税的メリットである.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究で,小規模企業がなんらかの方法を用いて売上高を抑制していることを発見したが,その理由というのが,納税事務負担の増加を避けるためだとの補佐的エビデンスを得た.消費税にインボイス制度という,納税事務負担を増加させる改正が施行される.本研究の結果から,今後,この改正により小規模企業行動の歪みが増加することが懸念される.事務負担をするための対策もとられているとはいえ,実際に度数分布の歪みが増加するかどうか,検証されるべき課題である.
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