研究課題/領域番号 |
19K01710
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
町北 朋洋 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (70377042)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 外国人労働者 / 外国人雇用 / 国際貿易 / 地域労働市場 / 雇用の非正規化 / サプライチェーン / 事業所規模 / 外国人労働力 / アウトソーシング / 国際生産網 / アウトソーシング / 非正規雇用 / 企業規模 / 経済のグローバル化 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の雇用の非正規化に与える外国人労働力の受入れの影響について、地域労働市場の視点から理論・実証分析を行う。雇用の非正規化は需要変動への調整を柔軟にする企業レベルのメリットがあるが、外国人労働力の導入の影響によって雇用の非正規化が進展すれば、地域雇用は正規化の方向には向かいにくい可能性がある。さらに産業立地は地域毎に不均一であり、これらの影響は地域労働市場毎に大きく異なるだろう。
本研究では経済のグローバル化(製品市場の国際競争激化、海外業務委託の拡大、外国人労働力へのアクセス拡大)に伴う企業の雇用形態の見直しが地域雇用の非正規化にいかなる影響を与え、それがどの程度外部性を持つかを数量的に示す。
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研究実績の概要 |
日本の雇用の非正規化に与える外国人労働力の受入れの影響について、地域労働市場の視点から理論・実証分析を行う。雇用の非正規化は需要変動への調整を柔軟にする企業レベルのメリットがあるが、外国人労働力の導入の影響によって雇用の非正規化が進展すれば、地域雇用は正規化の方向には進まない可能性がある。さらに産業立地は地域毎に不均一であり、これらの影響は地域労働市場毎に大きく異なる。本研究では経済活動のグローバル化(製品市場における国際競争の激化、海外業務委託の拡大、外国人労働力へのアクセス拡大)に伴う企業の雇用形態の見直しが地域雇用の非正規化にいかなる影響を与え、それがどの程度の外部性を持つかを数量的に示す。
具体的には、外国人労働力と非正規労働者の地理的分布の推移の把握を始めた。地域雇用がどれくらい非正規化を進めつつ、また外国人労働需要を変化させてきたか、その推移を示しながら、非正規雇用や外国人労働力への需要の大きな地域はどういった特徴をもつか、特に立地産業から説明する枠組みの作成を行なった。正規、非正規、外国人労働者の3者間で調整費用が異なることを仮定し、調整費用の柔軟な労働力供給と労働保蔵の相互作用を考察した。
この目的を達するため、2023年度には次の二つの作業を行なった。第一に公表統計を用いて、1980年から2020年までの日本の外国人労働力の地理的分布とその長期的推移を示した。第二に、その作業を2023年末まで拡張して、「日本の外国人労働需要の代替関係-新型コロナウィルス感染症拡大期の入国制限に注目して」と題した研究論文を執筆した。新型コロナウィルス感染症拡大期前後に焦点を絞り、そこでの外国人労働需要の地域差に関するデータセットを作成し、感染症拡大後の外国人の入国制限措置が、既に入国している外国人熟練労働者と未入国の未熟練労働者間の代替が起きたか否か、またその大きさを研究した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データベース構築作業を通じ、研究課題の問題点、改善の方向性、留意点も徐々に明らかになってきた。研究当初は予想していなかった新型コロナウィルス感染症の発生と拡大もあったが、それも研究課題として含めることができた。おおむね順調に進展しているといえよう。データベース構築・更新作業は2024年度も継続して行う。具体的には外国人関連の複数の統計を県別に集約・整理し、外国人立地に関する家計面(労働供給面)、企業 面(労働需要面)に関する県別の長期パネルデータセットを構築し、2019年、2020年等、最新年まで更新する。就業の有無、職業、産業の組み合わせ、あるいは実際の「業務(タスク)」で測った日本の外国人労働力の雇用が、現在どのように地理的に分布しており、そうした雇用の地理分布はどの程度、 1980年から2024年までの間に変化してきたのかを把握する。
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今後の研究の推進方策 |
日本に在住する外国人の雇用、特に製造業雇用が減少し、宿泊・飲食サービス業を含む広義のサービス業雇用が増加する等、外国人の雇用について長期的な潮流の変化がみられる。実態把握の社会的、政策的、学術的要請は大きい。しかしながら、外国人関連の統計は、各関連省庁、集住地域の自治体が個別に統計を収集しており、十分な統合・整理がなされていない状況が続いている。こうした状況は、例えば外国人労働力の地域分布の推移を国際比較することを難しくしている。この状況を解消するため、できる限り「きめの細かい」地域単位での国際比較を行う準備として、まずは複数の統計が収集してきた労働供給面、需要面の各指標について、県別、年別に整理する。
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