研究課題/領域番号 |
19K01716
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
モヴシュク オレクサンダー 富山大学, 学術研究部社会科学系, 教授 (50332234)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 教育格差 / 社会経済的地位 / OECD生徒の学習到達度調査 / PISA / 国際数学・理科教育動向調査 / TIMSS / 教育制度 / 学力 / 経済的不平等 / 国際学力調査 / 子どもの学力 |
研究開始時の研究の概要 |
社会経済的地位(SES)が子どもの学力に大きな影響を与えると、経済的不平等が拡大して世代間移動の停滞をもたらす危険が生じる。特に貧困家庭の子どもは、教育環境の悪化により成人時において貧困から脱却する機会を失う可能性が高くなる(貧困の連鎖)。 本研究では、2003~2015年における二つの国際学力調査を利用し、SESが子どもの学力に与える影響(SES効果)の変化を、直接効果と保護者の教育投資を通じた間接効果に分けて分析する。さらに異時点間(10歳時点と14歳時点)のSES効果を比較して、日本の教育制度が学力に対するSES効果に与える影響を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、社会経済的地位(SES)と学力の関係を探り、日本におけるSESの学力への影響が時間の経過とともにどのように変化するかを分析した。PISAとTIMSSという2つの国際的な学力調査データを用い、15歳時点での読解、数学、科学(PISA)、10歳と14歳時点での数学と理科(TIMSS)に対するSESの影響を推定した。その結果、両調査ともに2000年代前半からSESの影響が拡大傾向にあるという事が判明した。また義務教育は、SESの格差を起因とする学力格差を緩和する役割も担っている。しかし分析結果から、日本の義務教育は10~14歳のSESの影響を十分に緩和していないことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的には、本研究は、社会経済的格差(SES)が教育成果にどのように関連しているかについての重要なデータを提供するものである。また、SESが子どもの学力に与える影響が大きくなっていることを明らかにし、人的資本の整備や長期的な経済成長に影響を与える可能性がある。 社会的には、義務教育にもかかわらず、教育成果の不平等が深刻化していることが明らかになった。このことは、教育の機会均等という前提を覆すものであり、喫緊の社会的課題である。特に、SESに関連する格差を緩和し、社会的公平性の高い教育を促進するための効果的な介入の必要性が強調された。
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