研究課題/領域番号 |
19K01717
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 明治学院大学 (2020-2022) 静岡大学 (2019) |
研究代表者 |
高松 慶裕 明治学院大学, 経済学部, 教授 (90454016)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 最適所得税 / 就業選択 / 年齢に基づく税制・再分配政策 / 非自発的失業 / 失業給付 / 給付付き税額控除 / 老後の資産形成 / 年齢に基づく政策 / 就業選択行動 |
研究開始時の研究の概要 |
グローバル化の進展や非正規労働など雇用形態が多様化する一方,少子高齢化の進展で労働人口が減少する中で,就労可能な低所得者向けの所得課税・再分配政策を再考する必要がある。 本研究は家計の労働供給行動として就業選択行動を採用した最適所得税モデルを構築し,誘因両立的な所得再分配政策を提示するための理論的分析を行う。具体的には,①年齢や世代に基づく政策の有用性と世代ごとの再分配政策のあり方,②労働需要側と非自発的失業者を考慮した再分配政策,③不確実な人的資本投資の下での所得課税・再分配政策のあり方,の3点について考察する。
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研究成果の概要 |
本研究は,家計の労働供給行動として就業選択行動を採用したモデルを用いて,最適な所得税・再分配政策を提示するための理論分析を行った。具体的な研究成果は以下のとおりである。(i)年齢に依存した労働所得税のあり方として,現役世代と高齢世代では再分配政策は異なり,現役世代に対してのみ給付付き税額控除を設定すべきである。(ii)非自発的失業の存在下での給付付き税額控除と失業給付のあり方について,失業給付は有用であり,労働市場の摩擦が大きくなれば役割分担が生じる。(iii)資産分布が内生的に決定される動学的就業選択モデルにおいて,定常状態での厚生最大化では低所得者への給付付き税額控除が正当化されない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの多くの研究では,家計の労働供給行動として労働時間の選択モデルを用いて分析を行ってきたが,本研究では就業選択モデルを採用し,年齢に基づいた政策の有用性や動学的モデルの下での給付付き税額控除の有用性,給付付き税額控除と失業給付の有用性と役割分担について明らかにしており,その点に学術的意義がある。また,今後の就労可能な低所得者に対する所得税・再分配政策の制度設計に関して有用な判断材料を提供することができた点に社会的意義がある。
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