研究課題/領域番号 |
19K01718
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 (2022) 広島大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
高橋 新吾 兵庫県立大学, 国際商経学部, 教授 (70445899)
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研究分担者 |
都留 康 一橋大学, 経済研究所, 特任教授 (00155441)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 上司効果 / 上司配置分析 / 昇任分析 / ラーニングモデル / 人事評価 / 主観的評価 / エージェント理論 / 人事制度の経済学 / アサインメントモデル |
研究開始時の研究の概要 |
労働経済学における実証研究は、上司が部下生産性に与える効果の推定に正面から取り組んでこなかった。さらに、アサインメントモデルは、上司の配属における能力のラーニングの重要性を示唆するが、上司配属におけるラーニングモデルを構造推定した論文はまだない。この現状を打開するため、本研究は、日本有数の車販売会社の上司部下マッチパネルデータを使い以下の問に答える;(1)上司生産性はどの程度か、(2)上司の絶対的生産性はどの程度か、(3)上司効果はトレーニングから来るかそれともモチベーションから来るか、(4)上司の配属はどのように決定されているか、そして配属における店長能力のラーニングの重要性はどのくらいか。
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研究実績の概要 |
本年度は、信用組合支店長データを用い、①支店間のパフォーマンスの違いのどのくらいが店長の能力の違いから生じ、どのくらいが店舗の立地条件の差から生じているのか、②店長は能力に応じて給与を支払われているか、③支店への配属が追加的なインセンティブシステムとして使われているかに関する分析を行った。推定の結果、支店パフォーマンスの分散の35%が店長効果によって説明されることがわかった。つまり、店長の能力が店舗のパフォーマンスを大きく左右している。ただし、支店パフォーマンスのより大きい部分(45%)は、立地条件といった店舗効果によって説明されることも分かった。次に、店長が能力に応じて給与を支払われているかを分析したところ、給与と店長効果に関連性は見受けられなく、店長の給与は主に店舗のパフォーマンスそのもので決定されていることが分かった。しかしながら、店長効果の高い店長は、もともとパフォーマンスの高い店舗に配属される確率が高いことが分かった。まとめると、店長の能力は店舗のパフォーマンスを大きく左右するが、店長の能力は給与に直接的には反映されない。しかし、長期的には良い店舗に配属という形でインセンティブが付与されていることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
店長効果に関する論文を一本完成することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
信用組合の店長データを使った論文が一本完成した為、車販売会社の店長データを使った論文の完成を目指す。本プロジェクトに関しても、要となる推定はほぼ完成しているので、それをもとにまずはストーリラインを組み立てる。ストーリーラインが出来た後、再度推定のやり直し又は追加推定を行い、その後実際の論文の推定に入る。本年度中に論文を完成させ、国際学会や国内ワークショップでの発表をし、論文の修正をした後、学術誌に投稿することを目指す。
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