研究課題/領域番号 |
19K01726
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小西 秀樹 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (50225471)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 政治経済学 / 官民給与格差 / 賃金交渉 / 価格規制 / 公務員CEO / 公共選択 / 交渉モデル |
研究開始時の研究の概要 |
世界各国で計測されている官民給与格差の所得階層間分布には必ずしも一定のパターンが観察されないが,高所得階層では民間給与の方が高いという公務員ペナルティがしばしば検出される.従来の研究は労働市場を取り巻く諸要因や労働者の選好で官民格差を説明しようとしてきた.欧米では,個別交渉で上層部の公務員の給与が決められることも珍しくない.本研究では,公的事業を運営する公務員CEOと事業を管轄する議会代表者の間での個別賃金交渉に焦点を当てた政治経済学の枠組みで分析し,社会の所得分配や財源調達コストによって官民給与格差の発生を説明する新しい見方を提示する.
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研究実績の概要 |
カリフォルニア大学アーバイン校のアミハイ・グレイザー教授との共同研究を進め,論文を国際学術誌に投稿し,現在その審査結果を待っている.改訂の具体的な内容は,これまでは数学モデルの解析で記述していた部分を,簡明なグラフでうまく説明できることがわかったので,それを駆使してほとんどすべての命題を,図を使った直観的な説明で明らかにし,数学的な証明はすべて補論に回すことにした.これによって,分析のロジックが明確になり,かつ論文の内容をより理解しやすくなった.図を使った説明のアイディアは,本研究が取り扱っている公的企業の意思決定を,独占企業と完全競争企業の意思決定の加重和の形で表すことができる点にある.加重和に用いるウェイトが政治経済学的にどう決まってくるのかを分析することによって,公的企業の経営者に支払われる報酬と営利独占企業の経営者に対するそれを比較したり,それぞれが費用削減投資を行うインセンティブの違いを,図を使って示すことが可能になった.この改訂版は早稲田大学現代政治経済研究所のワーキングペーパーとして公表している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ完成版に近い論文ができ,国際学術誌に投稿し結果を待っている状況(デスクリジェクションにはならず,現在,レフリーが査読中)だから
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今後の研究の推進方策 |
レフリーレポートが戻ってくるのを待って,リプライを作成し,最終的な採択を目指す.また,今回作成したモデルを応用して,特殊利益集団政治がもたらす生産の非効率について分析を進めたい.
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