研究課題/領域番号 |
19K01730
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
室井 芳史 東北大学, 経済学研究科, 教授 (90448051)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 数理ファイナンス / 確率過程 / 数値計算 / 数値計算法 / 金融工学 / 確率モデル / レジーム・スィッチング・モデル / 漸近理論 |
研究開始時の研究の概要 |
いくつかのレジーム・スィッチング・モデルの先行研究では、特性関数と数値フーリエ変換を用いたオプションの価格付け法を考察している。研究提案者は、偏微分方程式における漸近理論と数値フーリエ解析を統合させた方法により金融派生商品の価格の分析を行ってきた。ここではその流れをさらに加速させ、数値フーリエ変換を軸に柔軟な株式価格モデルとレジーム・スィッチング・モデルの統合したモデルにおいて派生商品分析を行う予定である。また、今後は、ヨーロッパ型オプションの価格付けのみならず、早期行使権の付いた金融商品であるバミューダー型オプションやアメリカ型オプションの価格評価法について考察を行うことを目標としている。
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研究成果の概要 |
離散フーリエ解析を軸とした金融派生商品の価格評価について研究を行った。そこでは、偏微分方程式における漸近理論と離散フーリエ解析の組み合わせによるオプション価格の新手法と、2項木などツリーモデルとFFTや離散コサイン変換など離散フーリエ解析の諸手法の組み合わせによる新しいオプション価格評価法の2種類の成果があった。特に、レビ過程のようなツリーによるオプション価格評価とは相性があまり良くないと思われていた手法においても極めて高速かつ高精度にオプション価格を計算する手法を提案できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今世紀になり、レビ過程を用いたオプション価格評価は数理ファイナンスにおいて注目を集めてきた分野である。フーリエ解析やモンテ・カルロ法などを利用することで、レビ過程を用いたファイナンスの諸問題に対処してきた。これらの研究は数理的に簡単とは言い難い面があり、レビ過程の金融実務での応用を遠ざけてきたことは否めない。本研究成果では、レビ過程を用いた株価モデルをツリーによって近似し、直観的に理解しやすいもののあまり効率が良くないと考えられがちだった本手法においても高速かつ高精度なオプション価格計算を可能とした。これにより、金融実務においてもレビ過程の利用が容易になるものと考えている。
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