研究課題/領域番号 |
19K01733
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
本間 哲志 富山大学, 学術研究部社会科学系, 教授 (60241775)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 動学的費用非中立的効率性 / 動学的価格非効率 / 一般化使用者収入モデル / 一般化使用者収入価格 / 拡張された一般化ラーナー指数 / 効率性仮説 / 平穏仮説 / 異時点間規則的連鎖 / 単一期間動学的費用効率性 / 長期的産業組織政策 / フロンティア上のEGLI / 割増現在価値 / 割増率 / 長期的効果 / 最適金融財 / フロンティア上の拡張された一般化ラーナー指数 / 動学的費用効率性 / 市場集中度(ハーフィンダール指数) / 産業組織政策 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,費用非効率や価格非効率を明示的に考慮可能なように発展させられた金融企業の不確実性動学モデルに基づきながら,わが国銀行業(都市銀行及び地方銀行)について,効率性仮説及び平穏仮説の両仮説と最も効率的な銀行(フロンティア上)の競争度との関係,ならびに,その競争度における異時点間の規則性の存在と両仮説との関係を実証的に明らかにするものである.
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研究成果の概要 |
本研究では,一般化使用者収入モデルに基づきながら,わが国地方銀行における平穏仮説の実証的含意を明らかにした.分析の結果,効率性仮説は受容されないが,平穏仮説は受容される.加えて,ハーフィンダール指数の増加によるコスト・フロンティア上の拡張された一般化ラーナー指数の増加と平穏仮説の成立は同値なため,独占禁止政策は正当化される.さらに,大きくない貸出残高と平穏仮説のみの成立のため,異時点間規則的連鎖(サイクル的連鎖)が存在する.しかしながら,このサイクル的連鎖は収束に向かい,初期時点の非常に大きな値に固定化される.このため,わが国地方銀行にとって望ましくないと判断される.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は,動学的費用効率性及び動学的価格非効率を明示的に考慮可能なように発展させた一般化使用者収入モデルに基づきながら,地方銀行における平穏仮説の実証的インプリケーションを明らかにしている点にある.特に,平穏仮説とフロンティア上の拡張された一般化ラーナー指数(EGLI)との関係,フロンティア上の単一期間EGLIにおける異時点間規則的連鎖の存在と平穏仮説との関係はこれまで考えられてこなかったものである.このため,本研究の成果は内外の金融業(とりわけ銀行業)の産業組織政策及び独占禁止政策に大きな影響を与えるものと期待される.
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