研究課題/領域番号 |
19K01752
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
中田 豪 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (70509439)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | グローバルゲーム / 市場規律 / ソブリン債 / 規律付け / 預金取り付け / 通貨危機 |
研究開始時の研究の概要 |
大規模な金融危機に見舞われた近年において、公的資金注入や国際間における金融支援の在り方、情報開示の是非、金融機関に対する規律付けなどに関して望ましい政策が切望されている。しかしながら、それらに関する研究蓄積は十分ではなく、既存の理論モデルの現実的整合性も不明な点が多々ある。本研究では、公的債務危機、預金取り付け、通貨危機といった金融危機がどのようにして発生し、さらに、それらの危機がいかに深刻化するかについて理論的および実証的に分析する。また、情報構造や規律、資金援助がそれらの金融危機において果たす役割を探り、政策含意を導出する。
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研究実績の概要 |
預金取り付けと債務危機に関する研究、および金融危機が伝染するもとでの負債の規律付けの効果に関する研究を行い、エコノメトリック・ソサイエティの北米大会などにおいて発表した。 一つ目の研究については、預金取り付けと債務危機が互いに影響しあい、ある種の悪循環があることを示すモデルを過去に構築している。本プロジェクトでは、このモデルにおいて情報の不確実性がいかなる影響をもたらすのかについて分析した。 二つ目の研究では、短期負債が銀行を規律づけるとする先行研究を再検討した。先行研究では、要求払い預金あるいは短期負債といった形で銀行が借り入れを行うと、ひとたび銀行経営者が債権者の意に反する行動をとると銀行から預金が引き出される。これを危惧する銀行経営者は債権者の利益にかなった行動をとろうとする。しかしながら、本研究のように金融危機が伝染するもとでは、ある銀行の収益は銀行以外の金融市場からも影響を受ける。従って、銀行経営者のインセンティブは金融市場の状態に依存する。このような環境においては、ある条件のもとでは要求払い預金および短期負債が銀行経営者をかならずしも規律付けるとは限らないことを私自身の過去の研究において示している。本プロジェクトでは、各投資家が保有する情報の精度によっては、このような規律付けが全く働かないような状態に極めて近い(漸近的に規律付けが全く働かない)場合があることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
情報構造の影響についてあらためて厳密に分析しなおしたため、他の課題の進捗が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
二つの課題について分析を完遂させる。
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