研究課題/領域番号 |
19K01759
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
澤田 充 日本大学, 経済学部, 教授 (10410672)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Financial crisis / Lender of Last Rosort / 金融危機 / 最後の貸し手 / 銀行 / 最後の貸し手機能 / 日本銀行 / 昭和恐慌 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、金融危機下における中央銀行による最後の貸し手機能が金融仲介機能や実体経済に与えた影響について歴史データを用いて実証的に検証を行う。そこで本研究では、昭和恐慌期(1930-32年)における金本位制復帰および離脱前後のマクロ経済政策に関する歴史的制度背景の情報を利用することで、LLRの効果をより純粋に捉えることを試みている。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、金融危機下における中央銀行によるLLRの役割を実証的に評価することである。特に、昭和恐慌期(1930-32年)における日銀による特別融通(緊急融資)の金融システムへの影響および実体経済への影響について分析を試みている。昨年度は、これまでの研究成果の1つを「The Effects of Lender of Last Resort on Financial Intermediation during the Great Depression in Japan」というタイトルの論文にまとめ、国際学術誌『European Review of Economic History』(Oxford University Press) Vol.26,pp.448-478に正式に掲載された。一方で、本研究では日本銀行が民間銀行へ行った緊急融資のデータを部分的にしか使用しておらず、より詳細な融資情報を用いて研究することを検討しており、その際に必要となる推計モデルの構築するために、先行研究などの調査を行い、より精度の高い方法の探索を行った。特に、緊急融資を受け取った銀行とそうでない銀行間の属性の違いをどのように制御するかについて海外の文献などを参照し、バイアスを軽減する推計方法やリサーチデザインの構築を試みている。さらにこの研究をより発展させる方向を検討し、最後の貸し手機能が実体経済に与える影響を検証するために、都道府県別の雇用や付加価値のデータを用い、差の差の検定(Difference in difference, DID)によるアプローチで検証を行うことを念頭に、データベースの構築を進めた。また、この研究で派生的に進めていた研究の成果である金融危機と企業レベルのイノベーションに関する論文を国際学会、the 34th Asian Finance Association Annual Meetingや日本経済学会春季大会で報告している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の成果の1つが国際学術誌『European Review of Economic History』(Oxford University Press) Vol.26,pp.448-478に正式に公刊されたこともあり、主要な結果は国際的に評価されたと考えられる。一方で、さらに研究を深めるため、最後の貸し手機能が実体経済に与える影響を検証する必要があり、残された課題がある。
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今後の研究の推進方策 |
研究をより発展させる方向を検討している。最後の貸し手機能が実体経済に与える影響を検証するために、都道府県別の雇用や付加価値のデータを用い、差の差の検定(Difference in difference, DID)によるアプローチで検証を行う。それらの研究成果を国際学術誌に発表することを最終目標とする。
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