研究実績の概要 |
(1)Diversity in the Workplace, Work-life Balance, and Organizational Productivity: Role of Innovation Capability。は、職場の機会均等(EO)、従業員のワークライフバランス(WLB)に注目し、対従業員CSRがtotal factor productivity (TFP)で測られた組織生産性に及ぼす効果についての分析である。本年度は、次の2点に注目し分析を進めた。①観察期間を2005-2022年度に拡張し、市場環境変化や制度的変化がCSRと技術開発に及ぼす影響との関連を明確にした。②企業規模や産業による対従業員CSRとを検出するために、従業員規模別(medianによる大小企業規模グループ)に加えてセクター別(technology, materials, capital goods)分析を行った。 (2) Stakeholder Engagement and ESG Rating Agencies ESG格付機関の情報仲介機能に注目し、第三者評価が企業の従業員と投資家の行動を通じて、組織の長期競争力に及ぼす効果を分析した。長期競争力の指標として、TFPとノベーション指標を用いた。この研究は、国際学会にて報告し、Best Paper Award in the Category: Corporate Governanceを受賞した。さらに、観察期間の拡張と推計モデルを精緻化を行い、企業のステークホルダー・エンゲージメントの情報的側面と長期競争力との関係性の分析を進めた。 (1)と(2)は、2025年度発行予定の共著書(Suto, M. and Takehare, H., Stakeholder Engagement and Innovation in Japan, Springer)の第7章と第8章に収録予定である
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