研究課題/領域番号 |
19K01764
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
沈 政郁 京都産業大学, 経済学部, 教授 (70706499)
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研究分担者 |
久保 亮一 京都産業大学, 経営学部, 教授 (80339754)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 多角化 / 多角化の決定要因 / 多角化の成果 / Management Approach / 決定要因 / 家族企業 / 多角化指標 / セグメントデータ / 分社化 / 子会社設立 / M&A / 国際化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、家族企業(ファミリービジネス)と非家族企業の戦略行動の違いを明らかにする。近年、世界的にみて家族企業が上場企業を代表する組織形態であること、また平均的に家族企業の業績が高いことが明らかになってきているが、なぜ業績が高いかは明らかにされていない部分が多い。本研究では、このような問題意識に基づき、家族企業と非家族企業の戦略行動の違いが業績の違いをもたらしているのかを検証する。そのために、主に多角化戦略・M&A戦略・国際化戦略等の観点から、家族企業と非家族企業の戦略の違いを多面的に考察し、家族企業の戦略行動と業績との関係性の理解を深めることを目的とする。
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研究実績の概要 |
2022年度に多角化の決定要因を分析し、ほとんどの場合業績が悪化した時にセグメントが増えることを見出した。言い換えると、攻めの多角化ではなく守りの多角化が主流であるといえる。今年度は、既存の研究で使用した連結業績ではなく、最大セグメント業績 (本業業績) を用いて分析することで、統計的には強くないけど業績と多角化行動の正の関係を始めて発見した。またこの効果は2桁 (非関連多角化) で強いこと、非製造業が製造業より効果が強いことも発見した。業績との正の関係は既存研究では発見されてなく、最終年度ではこの点を強調する方向で論文を執筆していく予定である。 次に多角化の成果を分析し、企業は多角化を行うと業績が悪化するという結果が得られ、先行研究で指摘している、多角化ディスカウントを見出している。加えて、この現象は非関連多角化と非製造業で強いことも発見した。なぜこの現象が生じるのかを解明するために、ROAの変動を企業規模の変動と利益額の変動に分けて別々に分析し、多角化ディスカウントが生じるのは多角化に伴って、短期的に資産は大きく増加するが、利益額がそれほど増加しないことに起因することを発見した。言い換えると、短期的にシナジー効果を生むのはそれほど簡単ではないとまとめることができる。このような構造的なディスカウントが生じない株価業績を考察して、統計的には強くないが、制度変更以降の期間に対してTobin’s Qの多角化プレミアム (プラスの効果) を新たに見出した。最終年度には以上の結果をまとめて多角化成果の論文として仕上げていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
少し遅れている。今年が研究の最終年度であるが,論文の形に仕上げることができなかった。そこで最終年度の延長申請を行い,許可を得ている。主な結果が出揃ったので,学術論文に仕上げ海外雑誌に投稿する段取りである。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況で述べたように,論文に仕上げ海外雑誌に投稿できるように,今まで得られたすべての結果をまとめ論文の形に仕上げてゆく予定である。論文は多角化の長期推移,多角化の決定要因,多角化の成果の3つを想定している。
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