研究課題/領域番号 |
19K01770
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
杉本 喜美子 甲南大学, マネジメント創造学部, 教授 (70351434)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 金融統合 / 資本流入 / 金融深化 / 経済成長 / 株式市場 / 生産性 / グローバル化 / アフリカ / グローバリゼーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、以下の5点に関して実証分析する。 ①アフリカにおける金融グローバル化の実態と資本流入の決定要因 ②世界金融危機以降の先進諸国による金融緩和策が与えた、グローバル市場との連動性の変化 ③金融グローバル化が経済成長を促進させるために必要な国内金融発展の程度 ④金融グローバル化がアフリカ各国の生産性と貧困削減に与える影響 ⑤資本規制/為替制度の選択/マクロプルーデンス政策の実施など、金融グローバル化を享受するために求められる制度や政策の選択
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研究実績の概要 |
2023年9月に2週間、にフランスSciences Po. Aixに招聘教授として滞在し、開発経済学の授業を担当するとともに、共同研究を進めることができた。その結果、Gilles Dufrenot教授との共同論文2編を、11月に発刊された本“Topical Issues in International Development and Economics”の12章および16章として掲載することが出来た。 12章(Productivity Gaps in the Developing World: An International Comparison)では、確率フロンティア生産関数の推計およびパネル分位点回帰を行うことで、地域間・国間の不均質な生産性格差を明らかにした。結果として、サブサハラアフリカ諸国の多くが、人口増加が労働生産性の非効率をもたらす状況に陥り、人口ボーナスを享受できていないことを示した。 16章(Does International Financial Integration Increase the Standard of Living in Africa? A Frontier Approach)では、同様の手法を用いて金融のグローバル化と生産性の関係を分析した。国際金融統合は、アフリカ諸国の生産性向上を通して生活水準を上げることもあれば、低下させてしまうこともあり、国によって大きく異なることを示した。 また、2024年にエジプトやエチオピアなど新規加盟国を加えたBRICSが、「グローバル・サウス」の軸として、既存の制度に対抗しうる新たな主体として、持続可能な経済・金融連合を形成できるのか?を、為替レートのミスアライメントの視点から実証分析する検討を始めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請当初に掲げた目標のうち、1)金融グローバル化がアフリカ各国の生産性と貧困削減に与える影響、に関しては本の1章として出版できた。2)金融グローバル化が経済成長を促進させるために必要な国内金融発展の程度、に関しては、デジタル要因も加えた実証分析を行っているものの、結果の頑強性の点で問題があり、査読雑誌への投稿までに再検討が必要である。3)金融グローバル化を享受するために求められる制度や政策の選択、に関しては、為替制度の選択に注目したBRICS+新規加盟国(アフリカ諸国を含む)の共同研究として、データを集め、実証し始めている。本研究の進捗状況に関してはある程度順調ではあるが、2023年度は、当初予定していた国際学会に、時期的に難しく対面参加できなかった。予算を次年度に繰り越して国際学会発表のために使用させていただくこととしたい。
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今後の研究の推進方策 |
2023年9月に渡仏した際、あわせてスペイン・バレンシアで開催された国際金融統合に関する学会にも参加し、金融のグローバル化、デジタル化に関する様々な最新の研究を学ぶことができた。共同研究は、引き続きオンラインで進めることができており、2024年9月に開催予定の日仏共同学会(French/Japanese Conference on Asian and International Economies in an Era of Globalization)において、研究成果(2024年にエジプトやエチオピアなど新規加盟国を加えたBRICSが、持続可能な経済・金融連合を形成できるのか?)を発表し、国際雑誌への投稿へとつなげるよう今後も努める。 2024年度は、最終年度として、アフリカの持続的な経済成長に貢献しうる金融のグローバル化を知るうえで、アフリカ諸国における金融のグローバル化とデジタル化の進展度合い、および各国経済の成長および生活水準とどう関係しているかを、データから明らかにする。また、アフリカにおける金融グローバル化は、貿易や投資の視点で、どの国とより深い経済関係を結ぶことで進んでいるのか、実情を認識するとともに、今後の望ましい方向性に関しても、データを用いて総括する。
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