研究課題/領域番号 |
19K01772
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 立命館アジア太平洋大学 |
研究代表者 |
鈴木 勘一郎 立命館アジア太平洋大学, 国際経営学部, 教授 (10569784)
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研究分担者 |
加藤 康之 東京都立大学, 経営学研究科, 特任教授 (30612428)
篠原 欣貴 立命館アジア太平洋大学, 国際経営学部, 准教授 (50781457)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ESG投資 / ESG経営 / 社会的評価モデル / 社会的リターン / SDGs / 社会的インパクト / Bコープ / ステークホルダーアプローチ |
研究開始時の研究の概要 |
近年ESG投資が注目を集めているが、その評価には経済的リターンに加えて社会的リターンを適切に評価するという課題がある。本研究は、社会的リターン評価に関して証券分析の観点から新しい説明可能性と計測可能性を探ることで、証券投資における社会的評価モデルを提案する。具体的には、先行研究や専門家インタビューの結果に基づいて仮説モデルを策定し、その上でESG投資指数との比較、運用機関や事業会社へのヒアリング、実際のファンドの評価シミュレーションなどを通じて内容を改善し、効果的かつ現実的な社会的リターンの評価モデルを提示する。
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研究成果の概要 |
現代の投資や経営では、従来の株主中心主義への反発と直面する気候変動等への危機感からESGが注目されている。その評価には「主体者」の明確性が必要なため、ステークホルダー理論に基づく社会的評価モデルの構築を行った。またESGを推進するBコープ認証企業のESG経営の社会的評価を試みた。ステークホルダーには株主、従業員、顧客、供給者、社会、環境の6つを選択し、データは東洋経済新報社CSR調査を利用した。その分析から、コロナ禍前後の株価への影響やセクター別の分析からステークホルダー視点が投資に影響を与えており、またESGは関係者のエンゲージメントを通じて経営成果に影響を与えていることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
既存の東洋経済新報社CSRデータを基にしながらも、研究者らの専門的なESGとSDGsの知見から独自データを整備したことに加えて、ステークホルダーアプローチを証券分析に活用した事例は希少性がある。またBコープ認証プロセスを企業経営の観点から分析することで探索的な仮説モデルを提示した研究は日本では非常に希少かつ独創的な知見を提供するものである。さらにアカデミックな研究に加えて、企業やスペシャリスト数十社からなる研究会を企画し、実践的なESGの取り組みの発表や議論を行うことで、ESG経営の応用という実践的価値を企業や産業に提供することができた点は大きな社会的意義があったと考える。
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