研究課題/領域番号 |
19K01774
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菅原 歩 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (10374886)
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研究分担者 |
高橋 秀直 筑波大学, 人文社会系, 助教 (00633950)
古賀 大介 山口大学, 大学院東アジア研究科, 教授 (50345857)
布田 功治 亜細亜大学, 経済学部, 講師 (70609370)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 金融史 / 金融センター / 国際金融センター / 銀行ネットワーク / コルレス・ネットワーク / 金融危機 / 銀行危機 / 連鎖破綻 / イギリス / 商業銀行 / 不良債権 / 大恐慌 / ネットワーク / ネットワーク理論 |
研究開始時の研究の概要 |
金融危機は、地理的に見て、ある地点でまず生じたものが他の地点に波及していくことで経済・社会に大きな負の影響をもたらす。本研究では、各国の金融センター(銀行や金融機関の集積地)を、この「地点」と見なして、なぜ各地点間に金融危機が波及するのか、またある地点で波及が止まった場合は、なぜその地点で危機の波及が停止したのか、それぞれの要因を分析する。金融センター間の関係としては、各銀行間の資金貸借関係を重視し、数多くの金融センター間の関係をネットワークと見なして、貸借が双方向か、一方向かでネットワークの形状を決める。ネットワークの理論を適用しながら金融危機の波及と抑制の要因について分析していく。
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研究成果の概要 |
金融危機の波及に関して「周辺→中心」という波及経路はあったのか。アメリカの階層的な銀行制度の3層構造では、第3階層→第2階層への波及はあったが、第3階層と第2階層から第1階層への波及はなかった(第1階層はニューヨークとシカゴ、第2階層は準備都市、第3階層はその他)。第1階層であるニューヨークとシカゴの最大規模の銀行では破綻は生じておらず。第1階層=アメリカの最大規模の金融センターは、金融危機の波及を食い止める機能を果たしていた。1930年代の金融危機において、金融センターのネットワークは、危機の波及の経路となったのではなく、むしろ危機の波及を食い止める機能を果たしていたことが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金融危機の歴史的研究に対して、ネットワーク理論の視点を適用したことで、同時に地理的観点も導入され、それによって、これまでの研究で明らかにされてこなかった、1930年代のアメリカの大恐慌期における銀行危機の連鎖の具体的な様子と、その連鎖の停止という事実が明らかになった。特に、国際規模の金融センターであるニューヨークとシカゴで銀行危機の連鎖が止められたことが明らかにされたことの学術的な意義は大きい。社会的な意義としては、金融危機や銀行危機の連鎖を最小限にして社会・経済的な安定を得る方策を構築する際の学術的な基礎が提供できたことがあげられる。
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