研究課題/領域番号 |
19K01782
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
永岑 三千輝 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 客員教授 (70062867)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 航空機開発 / 全金属製航空機 / F 13 / 世界初の全金属製旅客機 / フーゴ―・ユンカース / 軍用機開発 / 民間機開発 / 国際主義的ナショナリズム / 民間旅客機 / 軍用機 / スウェーデン子会社 / モスクワ近郊フィリ工場 / 大西洋横断 / 航空熱 / ヴェルサイユ体制 / ホロコースト / アウシュヴィッツ / ユダヤ人絶滅 / ラインハルト作戦 / ワイマール期 / ナチス期 / 独ソ戦 / 世界大戦 / ユンカース / フィリ / ゼークト / ソ連進出 / 航空機製造禁止 / フーゴー・ユンカース / 大西洋横断飛行 / ヴェルサイユ条約 / ユンカース航空 / 世界航空交通構想 / 国際主義 / 航空交通 / ワイマール体制 |
研究開始時の研究の概要 |
ユンカースといえばナチス期の軍用機が有名で、軍用機開発とユンカースの発達とが同一視されている。しかしそれはヴェルサイユ体制下・ワイマール体制下のフーゴー・ユンカースの平和的国際主義的な中心的努力を全く無視したものである。 敗戦後フーゴーはドイツ民主党に所属し、ヴェルサイユ体制の厳しい経済・経営条件の中で民間機開発、その大型化・長距離化に過酷な金融環境の中で挑戦し続けた。国際交通・国際交流の革命的平和的手段としての旅客機・貨物機の開発が彼と彼の会社の主たる関心時となった。世界の黎明期航空交通の発達においてルフトハンザばかりが注目されるが、それはフーゴーが開拓した民間航空路線網の継承であった。
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研究成果の概要 |
わが国では未開拓のドイツ航空産業(航空機製造と航空業)の黎明期について、フーゴ―・ユンカースと彼の会社が果たした業績を、はじめて、ドイツ博物館(ミュンヘン)の企業文書アルヒーフに所蔵されているユンカース・アルヒーフを基に、解明した。ユンカース・アルヒーフが、ユンカースの活動初期から1933年までの企業活動に関する膨大な文書を戦中・戦後を通じて、維持できたことがこの黎明期研究を可能とした。 フーゴ―・ユンカースは自由で民主主義的な精神をもとに、熱力学・機械工学の当時最先端の科学的知識を実際的な諸機械の発明に適用する点で、極めて柔軟であった。それが、1910年の「翼のみ航空機」特許につながった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ドイツ資本主義発達史の研究においてまったく未開拓の航空機産業について、ユンカースを中心とする企業文書を軸に黎明期について序説的に明らかした。フーゴ―・ユンカースの航空機開発に一大刺激を与えたのは、いうまでもなく第一次世界大戦であった。だが、他者が木製布製航空機製造にまい進するなか、彼は、全金属製航空機開発に的を絞った。そして、ジュラルミンを素材とする世界最先端の航空機開発に突き進んだ。革命的発想を実際の航空機開発で粘り強く実践していった。革新的発明努力の結果、第一次世界大戦中だけでも、十数個の改良機を生み出した。その到達点がF13であった。これが世界最初の全金属製旅客機を生み出した。
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