研究課題/領域番号 |
19K01783
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 函館大学 |
研究代表者 |
田中 浩司 函館大学, 商学部, 教授 (80305888)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 金融 / 貸借 / 貨幣 / 利子率 / 担保 / 日本中世 / 徳政令 / 金融法 / 日本史 / 中世 / 経済 / 利子 / 日本 / 経済史 / 日本中世史 / 金利 / 利子制限法 / 日本経済史 / 金融史 / 金利変動 / 貨幣史 / 貸借契約 / 利子変動 |
研究開始時の研究の概要 |
上記の「研究の目的」を達成するためには、日本中世に関する金融の実態を示すデータが必要となる。ところが、日本中世について、金銭貸借における貨幣・金融財、利子率、 貸借期間、担保などの時代ごとの推移に関するデータは、現時点では存在しない。 そこで本研究では、米・銭などの中世の貨幣・金融財の借用状と各種の算用状類 (年貢その他に関する計算書)におけるそうした記載から、金融の実態に関するデータを構築し、それらの推移を明らかにするとともに、その分析を通じて、変化の要因・メカニズムなどについて解明しようとするものである。
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研究成果の概要 |
本研究は、日本中世(13世紀~16世紀)を対象に、当時の貨幣であった米・銭の貸借について、借用状や帳簿などの史料から、貸借金額、利子率、貸借期間、担保などに関するデータを構築して、それを基に、当該期のそうした金融の実態、金融動向について考察したものである。 上記のデータから、中世の米・銭の利子率などの推移を明らかにした。また利子率の変動・決定要因について、ほぼ全期を通じて担保の有無が影響していること、13・14世紀では飢饉や戦乱によって米の利子率が上昇し、15世紀の京都では室町幕府の徳政令や戦乱で銅銭の利子率が高騰していることから、資金の需給が利子率変動に大きく影響していることを解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本中世という時代に関して、当時の貨幣である米や銭などの貸借について、借用状類や帳簿などの史料から、貸借金額、利子率、貸借期間、担保、債権・債務関係などを明らかにしたデータ・研究は、これまでほとんどなかった。 本研究によって、そうしたデータが構築・提示され、当該期の利子率をはじめとした貸借の実態が解明された点に大きな学術的な意義があると言える。これまで、中世の利子率変動は未知の領域であり、変動の要因・メカニズム、あるいは徳政令などの金融法の影響についても数値的な裏付けはなかった。本研究の利子率などのデータは、新しい中世金融経済史研究を切り開いていく端緒となるものと期待される。
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