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近代日本における在来的第三次産業の発展―営業税データを用いた数量的検討―

研究課題

研究課題/領域番号 19K01785
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分07070:経済史関連
研究機関成蹊大学

研究代表者

松本 貴典  成蹊大学, 経済学部, 教授 (10219503)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード経済史 / 商業史 / 営業税 / 数量分析 / 数量経済史 / 第三次産業史 / 経済発展 / 地域経済発展 / 地域経済 / 在来産業 / 商業 / サービス業 / 第三次産業 / 近代日本 / 在来商業 / 在来サービス業 / 全国展開 / 在来的第三次産業
研究開始時の研究の概要

本研究は、大蔵省『主税局統計年報書』および各税務監督局『税務統計書』に所収されている営業税統計を用いて、従来の研究関心が集中してきた製造業のみならず、ほとんど解明が進んでこなかった商業・サービス業にいたるまで、在来産業全般の全国展開と府県内展開とを数量的に明らかにし、従来は個々の事例研究の積み重ねであった在来産業研究に対して、客観的で説得的な俯瞰図を提供することを目的とする。その俯瞰図は、それぞれの事例研究の位置づけを明確化することになり、それを通じて個別実証研究自体も大きく進展するものと考える。したがって、本研究は、在来産業研究を大きく活性化させるパイオニア・ワークとなろう。

研究実績の概要

本研究は、近代日本の在来産業研究の中でも最も研究蓄積の薄い在来的な第三次産業の発展を、営業税を用いて数量的に解明することを目的とする。分析対象は、物品販売業、運送業(人力や牛馬力による運送業)、労力・土木請負業、金銭貸付業(研究史の厚い質屋を含まない)、物品貸付業、旅人宿業、料理店業、席貸業(待合など)、印刷・出版業ほか、従来ほとんど解明されてこなかった多くの産業である。
基礎データは、(A)大蔵省『主税局統計年報書』所収の全国営業税と、(B)その下位統計である各地の税務監督局『税務統計書』所収の府県内営業税である。在来産業の中核分野でありながら研究蓄積の薄い在来的第三次産業について、(A)を用いて府県レベルの発展を巨視的に捉え、(B)によって各府県の在来産業の展開を地域経済発展と関連させながら、研究代表者は研究を進めている。
(A)については基礎データの入力が完成した。(B)についてはある程度の入力は進んだ。
また、これらの在来産業の展開を説明するために、各府県の『府県統計書』や『日本全国商工人名録』(第2版、第3版、第5版)などの入力もおこなった。
論文化作業は、(A)を用いて、労力・土木請負業、金銭貸付業、物品貸付業、旅人宿業、料理店業、席貸業などの在来産業(とくに研究蓄積の薄い在来的なサービス業)について、鋭意執筆中である。また、(B)を用いて、資料の欠損を克服できた、とくに東京府の物品販売業と運送業の論文を執筆中である。
巨大なデータ処理を必要とするが、非常にチャレンジングな課題であるゆえに、今年度も精力的に研究を完成に向けて進めていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(A)の大蔵省『主税局統計年報書』の営業税データは、ほぼPC入力が完成した。
(B)の各地の税務監督局『税務統計書』所収の府県営業税データは、資料の欠損が多かったが、かなりの程度完成に近づいた。
現在準備中の研究業績は「近代日本における商業展開の経済合理性」「営業税から見た近代日本の商業展開」「近代東京の商業」という3本の論文に結実しつつあり、これらは松本貴典編著『未踏の領域――商業の近代――』(日本評論社、近刊)に収録予定である。
2023年度は研究代表者がサバティカルでオーストラリア国立大学で研修中であった。そのため、これらの研究については、申請者が組織している「商業史研究会」において、毎月末に一回、合計12回の進捗報告をオンラインでおこなった。

今後の研究の推進方策

(A)を用いての各種在来商業・サービス業の全国展開の研究は、前人未踏の研究であり、今後とも積極的かつ精力的に執筆を続ける。
(B)はいくつかの府県については、ほぼデータが収録でき、入力が進んだ状況である。そこで、その府県域内の在来産業の展開を地域経済発展と関連させながら、検討する論文を執筆している。
また、以上の研究成果を学会の全国レベルの大会で、報告をしていくことにする。商業の部分については、松本貴典編著『未踏の領域――商業の近代――』(日本評論社、出版契約済み)を準備中である。
くわえて、これらの営業税データから分かった在来産業についての業績をまとめて出版することも計画中である。また、これらの第三次産業の発展に関しては、その一部を、松本貴典『日本を元気にする経済学(仮題)』(新潮社、出版契約済み)に収める予定である。
さらに、Routledge Focusの一冊として、海外からのオファー(Routledge社)があるので、それを英文で出版も進めていく。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 日本の産業化過程における資産家・企業家2020

    • 著者名/発表者名
      松本貴典(共同報告者:阿部武司)
    • 学会等名
      経営史学会全国大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

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