研究課題/領域番号 |
19K01791
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
湊 照宏 立教大学, 経済学部, 教授 (00582917)
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研究分担者 |
竹内 祐介 東京都立大学, 経営学研究科, 准教授 (30711238)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 農地改革 / 米国援助 / 工業化 / アメリカ援助 / 旧日本資産 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、終戦から1950年代にかけた台湾・韓国経済の復興・成長過程を、米国の対外援助政策との関連で比較検討する。①1940年代後半における旧日本資産の接収・処理を含めた農地改革と国内資本の再編、②1950年代における米国援助資金・資源の配分と国内資本の育成、といった論点を中心に比較する。以上の比較検討から、台湾・韓国ともに米国援助を利用して工業化を進展させた共通性を持ちつつも、両地域の経済構造には相違性が生じた過程を明らかにする。
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研究成果の概要 |
脱植民地化と工業化に関し、台湾・韓国間で比較検討して三つの相違点を析出した。すなわち、①旧日本資産の多くが民営企業に払い下げられた韓国と、旧日本資産の多くが公営企業化された台湾、②米国援助資金が財閥系企業に優先的に配分された韓国と、米国援助資金が公営企業に優先的に配分された台湾、③財閥系民営企業による寡占が多くの産業で確認される韓国と、川上産業における公営企業による独占、川下産業における激しい民営企業間競争が確認される台湾、である。これら相違点が有する経済史的意義について検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
輸出志向工業化の担い手に関しては、韓国は大規模財閥系民営企業であったのに対し、台湾は中小規模民営企業であったという相違点は以前より認知されていた。本研究はその相違点を形成した史的要因を明らかにした。つまり、農地改革による脱植民地化過程で既述した第一の相違点を形成し、輸入代替工業化期において、ひたすら輸入材を加工する都市工業において資本蓄積を進めた韓国と、農村工業から都市工業への資本移転をともないながら資本蓄積を進めた台湾との相違が第二・第三の相違点を形成し、その結果、輸出志向工業化の担い手に関する相違点につながった因果関係を明らかにした。
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