研究課題/領域番号 |
19K01803
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
内木 哲也 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (70223550)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 情報システム / 情報メディア / コミュニケーション / 社会的文脈 / システムデザイン / メディアコミュニケーション / メディア文化 / ナラティブ分析 / 暗黙知 / 情報化社会 / 社会システム |
研究開始時の研究の概要 |
情報処理システム開発現場で重要視されている暗黙知としての「情報システム」の認識や評価基準を現場経験者への聞き取り調査を通して探り出すと共に、そのような現場での専門職の実践的育成と暗黙知の獲得や継承に適した環境形成とに寄与するマネジメント方策について展望する。具体的には、情報処理システムの設計開発現場での実践を担ってきたシニアの実務者へ社会学的観点からの聞き取り調査を実施し、具体的な設計過程をナラティブとして文書化すると共に、そこでの対話と文書を介した相互認識プロセスを通して、設計の要となる暗黙知を識別し認知しつつ、有効な暗黙知を育み発揮できるマネジメントのあり方を探り出す。
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研究実績の概要 |
情報システムの設計開発方法論の良否は、その社会的文脈との適合性が重要な鍵といえる。特に、現代社会で求められる組織構成員相互の積極的なコミュニケーション活動を促す活性的な情報システムを我が国で実現するためには、日本社会でメディアコミュニケーションが形作っている情報システムのあるべき姿や特徴を探ることが必要である。本研究では、調査対象として、様々な現場で情報システムというメデイアが形作るメディアコミュニケーションの問題状況についての調査研究に着目し、研究に従事する当事者への聞き取り調査を実施した。情報システムの視座からのメディアはシステム機能に不可欠な情報の媒介物であるが、広く一般的なメディアの視座から見た情報システムはその利用者間のコミュニケーションを媒介するメディアである。この複雑な関係は利用者が情報システムをコミュニケーションメディアとして使用することができるか否かがシステムデザインの成否要因の一つであることを示唆しているからである。本年度は、新たに18件の調査研究を対象に分析を行い、メディアコミュニケーション現象の中で作動している、明示的で形式的な情報システムそのものに関することではなく、そのシステムに誘発されて発動している暗黙的で非形式的な情報システムに関することであったと捉えることができた。メディアコミュニケーション現象に関する研究事例の分析結果は、ICTシステムを中心に認識され、固有の機能性として語られる明示的で形式的な情報システムが、実はその利用者たちに誘発させた暗黙的で非形式的な情報システムの発動の下で機能性を評価されていることを示唆するものであった。つまり、利用者たちが形作る非形式的な情報システム無しには、形式的な情報システムも所定の機能性を発揮できないことを意味していることが、本研究の成果として明らかにされたわけである。
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