研究課題/領域番号 |
19K01832
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
岡本 哲弥 滋賀大学, 経済学系, 教授 (10411042)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 自動車産業 / サプライヤー / サプライチェーン / 電動化 / ネットワーク分析 / 次世代自動車 / 自動車 / コンセプトカー / ノスタルジア / 海外進出 / CASE |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、自動車産業を対象とし、自動車メーカーを取り巻く企業間関係をネットワークとして捉え、近年著しく発展してきたネットワーク分析を適用することによって、自動車産業の供給連鎖網(サプライチェーン)の変動メカニズムを解明することを目的としている。 昨今、自動車産業は、電気自動車(EV)化の進展、IT企業などの異業種からの参入などにより、いまや完成車メーカーや自動車サプライヤーを中心に構築された供給連鎖網に変革が迫られている。本研究では、自動車の次世代技術を示すCASEの観点から企業間のネットワークを階層化することで、分析対象を切り分け、焦点化を図る。
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研究実績の概要 |
自動車産業は100年に一度の大変革期にあり、サプライチェーンにおける部品サプライヤーにとってもその影響は大きく、取引品目や取引先のあり方を検討することが喫緊の課題となっている。 2022年度は、自動車部品サプライヤーを基点にエゴセントリック・ネットワークとして捉えて、企業規模のデータに、「取引品目数」と「取引メーカー数」の変数を加味して分析した結果、次の3点について明らかにした。まず、企業規模に関して、売上高(対数値)を指標したときに、部品サプライヤーの取引品目数が多いほど、また取引メーカー数が多いほど、売上高が高いという基本的な関係が確認できた。また、売上高そのものを指標としたときには、「取引品目数」だけが売上に関連するという結果であった。第2に、取引品目数および取引メーカー数別の売上高の箱ひげ図から、その売上高の上方の外れ値は、一部の例外(ダイハツ工業)を除けば、いずれも自動車メーカーだけが主要顧客ではない大手企業である。第3に、箱ひげ図の下側の外れ値には、外資サプライヤーを存在しており、国内の部品市場にも外資サプライヤーの参入が確認できる。現時点では、売上規模は小さいものの、外れ値以外にもZF(ドイツ)や現代モービス(韓国)なども参入している。 また、サプライチェーンにおける川下の中古車市場を対象にベンツおよびBMWと比較をし、高級ブランドとしてのレクサスの位置づけを明らかにした結果を論文として取りまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は、主に自動車産業における1次サプライヤーに焦点を当てながら、CASEの観点を意識しつつ、サプライヤーの規模が取引品目数や取引メーカー数とどのように関係しているのかについて研究を進めてきた。研究成果の一部は、オンラインでの学会報告などを通じて公表を行った。コロナウイルスによって当初計画の修正が余儀なくされたなかで、当初予定した計画に徐々にキャッチアップしつつあるものの、現時点ではやや遅れていると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度も利用した調査レポート「2021年版 主要自動車部品255品目の国内における納入マトリックスの現状分析」からデータセットを再構成し、1次サプライヤーが取り扱っている部品ポートフォリオに着目し、アソシエーション分析や共起ネットワークによる視覚化を通じて、電気自動車をはじめとする次世代車に必要な部品の特徴について探っていきたい。その際、CASEの観点を取り込むことができるものと考えている。 また、「主要自動車部品255品目の国内における納入マトリックスの現状分析」の最新版(2023年版)の入手も検討したい。
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