研究課題/領域番号 |
19K01837
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 静岡文化芸術大学 |
研究代表者 |
高島 知佐子 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (70590404)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 伝統工芸 / 職人 / 地域文化 / 海外展開 / 産地 / 刃物 / 輸出 / 和紙 / 陶磁器 / 小規模産地 / 石州和紙 / 石見神楽 / 美術品 / 三川内焼 / 小規模 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の伝統工芸は、観光やCool Japan戦略等で着目される一方、競争が激しく存続が危ぶまれるものは多い。特に、伝統工芸の産地・事業者規模は二極化が進んでおり、規模の小さい産地・事業者の衰退は深刻である。しかし、伝統工芸には各地域の文化的価値があり、小規模でも維持されることが地域経済や文化の発展に重要なものは多い。本研究では、規模の小さい産地を複数調査し、それらの比較を通して、伝統工芸の小規模産地の存続のあり方を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、伝統工芸の商品価値、歴史・美術的価値、そして地域文化としての価値という三つの側面から、小規模産地の存続のあり方を明らかしようとした。具体的には、産業としての維持が困難になりつつある手すき和紙と産業的側面の強い陶磁器と刃物を事例に調査した。その結果、小規模産地は手仕事にこだわり、歴史・美術的価値を重視し、地域文化と密接な関係をもちながら、オーダーメイドや美術関連の独自市場を維持、開拓しながら今日まで事業を継続してきていることがわかった。また、産地内分業構造が明確ではない小規模産地では、職人が原材料調達、生産、販売の一切を担い、後継者は生き方として職人の道を選択していることが見えてきた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
伝統工芸産地や事業者に関する研究は、経営学を中心に、陶磁器の有田焼に代表されるような大規模産地を事例に豊富な蓄積がなされてきた。一方、小規模産地の研究はほとんどなく、経済産業省が指定する伝統的工芸品240以上のほとんどに関して、その実態は不明点が多かった。本研究は、日本の伝統産業における小規模産地の実態の一端を明らかにすることができ、今後の伝統工芸の継承や支援のあり方に寄与すると考える。また、規模の拡大を善としてきた産業や企業経営において、あえて規模を拡大せず、地域に根ざした活動を行うことの意義を示すこともでき、今後の社会と経済、文化のあり方を問い直すことにつながる研究と言える。
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