研究課題/領域番号 |
19K01847
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
真保 智行 関東学院大学, 経営学部, 准教授 (70533355)
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研究分担者 |
中内 基博 青山学院大学, 経営学部, 教授 (20339732)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 境界連結者 / ネットワーク / 知識移転 / 知識創出 / イノベーション / 発明者 / 特許 / 部門間の知識移転 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は特許データと質問票調査の両方を利用することによって、アイデアの創出からイノベーションの結実までのプロセスをより精緻に捉えると共に、発明者のネットワークが企業内の知識移転に影響を及ぼすメカニズムを明らかにすることにある。 本研究の独自性は、特許データと質問票調査の両方を利用することで、一気通貫のイノベーション・プロセスをつぶさに追いかけ、分析することにより、知識移転の全体像を捉えることができる点にある。また、実務的なインプリケーションとしては、一連のイノベーション・プロセスにおいて知識移転を促進する要因を見出すことによって、企業のR&Dの効率性を高めることが期待される。
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研究実績の概要 |
人間は情報を認知する知識構造、いわゆるスキーマを有しており、それによって効率的に情報を処理することが可能になる。一方、複数の製品や事業を抱える企業は、自らのR&D組織を部門ごとに分業化する傾向がある。すると、各部門には支配的な組織スキーマが形成されるようになり、部門内のメンバーはより効率的に知識を共有したり、活用したりすることが可能になる。しかし、部門ごとに異なる組織スキーマが形成されると、発明者が他部門の知識を理解するのをより難しくしてしまう可能性がある。これはイノベーションの観点からは望ましくないかもしれない。 先行研究はこのような部門間での知識の共有の難しさに対処する方法として、境界連結者(BS)に焦点を当ててきた。R&D活動において、BSは他部門の知識を探索し、それを組織メンバーに翻訳し、伝達する役割を負っている。企業内では部門ごとに支配的な組織スキーマが形成され、部門内メンバーがそれを共有している。そのため、BSは他部門の組織スキーマにも精通しているかもしれないが、部門内の組織スキーマを有しており、それがそのBSとしての活動に影響を及ぼしうる。すると、BSは他の部門内メンバーと同様に、他部門の知識を理解できなくなってしまうかもしれない。ここで、我々は、BSが部門内の組織スキーマにどのくらい影響されるかは、その部門内のネットワーク・ポジションに依存すると予想する。そこで、本研究では、境界連結と部門内中心性の相互作用が知識移転および創出にどのように影響を及ぼすのかを検証する。そして、分析結果から2つのことが明らかになった。第一に、発明者が部門の境界を連結し、かつその部門内の中心性が高いほど、部門内メンバーへの知識移転が阻害されることである。第二に、発明者が部門の境界を連結し、かつその部門内の中心性が高いほど、自らの知識創出が阻害されることである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
海外ジャーナルへの投稿を行っているが、苦戦している。
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今後の研究の推進方策 |
論文に新たな視点を入れることで、仮説やインプリケーションを修正する。
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