研究課題/領域番号 |
19K01850
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 近畿大学 (2021-2022) 京都女子大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
西尾 久美子 近畿大学, 経営学部, 教授 (90437450)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 事業システム / 価値共創人材 / キャリア / 人材育成 / ディベロップメンタル・ネットワーク / 伝統文化専門職 / 京都花街 / 能楽 / 技能育成 / 価値共創 / 宝塚 / AKB / キャリア形成 / 学校化 / 宝塚歌劇 / 文脈価値 / 価値競争 / 伝統文化 / エンターテイメント |
研究開始時の研究の概要 |
花街・能楽・宝塚歌劇・AKB48を調査対象に参加観察やインタビュー調査など質的調査方法を用いて、サービスの提供側と受け取る顧客側、マネジメントする側、それぞれからアプローチを行い、実践知との関連からより高いレベルへの技能向上まで視野に入れて探求する。(a)高いレベルの技能育成が長期的に可能の理由(b)伝統技芸が事業として長期継続する理由(c)専門職組織の運営の仕組みと変化への対応との関連性という3点について、花街と能楽との比較から日本的サービスの特色を明らかにする。伝統文化の付加価値創造プロセスについて比較検討し、技能育成と事業の継承を重視し変化に適応する組織の特色についても研究を展開する。
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研究成果の概要 |
価値共創人材の育成と事業システムに関する研究成果は以下の4点である。 ①京都花街では顧客情報を有し取引の要となるお茶屋や芸妓が現場のチーム編成や楽曲選定を行うことが多く、価値共創と人材育成が平行して実施される。②能楽師は徒弟的な関係以外にも専門職同士のつながりを有し、それをもとに創造性や芸術性の高い公演を企画し互いのキャリア形成を意図して活動する。③宝塚歌劇やAKB48では興行成績が優先されるため、ファンとの関係性構築が人材育成より重視される。④日本伝統文化専門職は顧客と接点を有し事業主体となるため人材育成と価値共創の両立をしようとするが、宝塚歌劇やAKB48では人材側にその点の意識は薄い。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究成果の学術的意義として、日本的な価値共創人材の事例では顧客側が継続的にキャリア形成のプロセスそのものを楽しみ価値を見出す点を明確にし、能楽と京都花街では、価値共創人材の育成のための専門職のディベロップメンタル・ネットワークが同期などの横や地域や流儀の壁を超えた斜めの関係性を明確にしたことがあげられる。この研究成果は伝統文化専門職の人材育成に役立つ知見を提供したもので社会的意義も認められる。また、日本の伝統文化専門職の連携が創造性の獲得につながる研究知見をもとに、中国の伝統演劇の事例と比較分析を行い英語論文としてまとめ、海外ジャーナルにアクセプトされるという学術的意義が高い研究成果を上げた。
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