研究課題/領域番号 |
19K01854
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 立命館アジア太平洋大学 |
研究代表者 |
藤本 武士 立命館アジア太平洋大学, 国際経営学部, 教授 (00389561)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | イノベーション / マーケティング / 経営学 / グローバル・ニッチトップ / GNT企業 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでグローバル・ニッチトップ企業(Global Niche Top:GNT企業)の研究を行ってきた。世界的にも特殊な分野で世界のトップを誇る企業は、特殊なニーズに対して、高度な技術を開発し成長している。国際的な動向では、ベンチャー・中小企業が、急速に発達するデジタル・ネットワークをいかし、それらベンチャー・中小企業によるイノベーションが有利に働く環境づくり、イノベーションに参画させる体制・環境づくりを整えながら成長している。本研究は、グローバル・ニッチトップの観点をふまえ、ベンチャー・中小企業の高度人材によるイノベーションが国際的にも経済や社会の中心となるモデルを開発したい。
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研究実績の概要 |
2022年度に実施した研究成果について、大きく進展できたものとして、2022年5月ごろから開始したグローバル・ニッチな中小企業を対象としたアンケート調査がある。2022年度はそれまでの期間を調査したまとめにあたる年度であったが、コロナにより現地訪問・ヒアリング調査がほぼできずに2022年度の終盤を迎えた。ほぼ2022年10月ごろまで人の移動が制限されていたため、他大学の研究チームからの協力も得ながら、アンケート調査を実施できたことは大きな成果であった。過年度までの予備調査・ヒアリングから抽出される共通項目と新たな特徴を踏まえ、近年のDX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)に取り組む中小企業(大手企業に区分されない企業)が日本・欧州・米国・アジア地域で高度人材の関与をもとに事業の生産性をあげることができているのか、IoT(Internet of Thing:モノのインターネット)を企業でITやAIのように活用できる段階にあるのか、それらを浸透させるプロセスについて、確認することができた。今回の調査やこれまで実施できた企業の中には、時期的に先代から事業を引き継ぎ、新たな展開を開始した企業が含まれる。それら企業はIoT・DXへの関心は非常に高く、経営資源が限られる中で、デジタル化に向けた模索は組織の意識にも影響を与える。状況把握と問題解決に向けたデジタル化の活用度、開始する優先順位と成果を見ていく上で、事業承継と時期・過程が一致している企業が見受けられるため、再度ヒアリング調査をしている。これらの調査から得られた情報を、新規事業で安定的に実証実験する段階の有無、実証実験にかかる費用や事業拡大段階での事業、特殊性が新規事案のIoTを活用した国際化につながっているかといった観点から整理することに繋げたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に実施した研究成果について、先に述べたように、これまで現地訪問調査ができなかった分を、2022年5月ごろから開始した中小企業向けのアンケート調査を実施することで補えた。2022年度は2021年度までの調査内容を集約し補足調査が主な目的であったがコロナで調査の延期が続いていた。しかし、当初の計画から調整しながら、アンケートの質問文や回答の結果などを、コロナにより現地訪問・ヒアリング調査ができず準備しておいた調査項目に加えることで、あらかじめ別途得られた情報をもとにし相互確認をしながら補足調査を進めることができた。また、今回のアンケートはこれまでの調査に加え、海外の大学における研究チームや経済産業省所管の経済産業研究所からの協力も得ながら、アンケート調査を国内外にまたがって共通の質問項目で実施できたことが大きな成果であったと考えている。そのため、過年度までの調査も含め、進捗状況は改善され、順調に進められてきた。また、調査の進捗度を補うために、今後も引き続き、ヒアリング調査を予定しているが、アンケート調査も含め、これらの調査から得られた情報をもとに、本調査の新たな発展系のテーマを準備しておきたい。特に、今回の調査が海外機関との協力で得られた成果は大きく、国際比較のさらなる調査に寄与できるものと考えている。GNT企業の特殊性が新規事案のIoTを活用した国際化の観点から企業の国際比較することを目指したい。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は本研究の最終年度にあたるため、これまでのヒアリング調査に加え、アンケート調査の結果を関係機関や有識者からの専門情報を収集しながらまとめる段階としたい。また、アンケート調査では他大学の海外研究チームからの見解も得ながら進めることができたため、今年や来年の時期段階で成果を発表することや論文という形で情報発信することを目指す。上記の進捗状況で触れた通り、本年度を補足調査の期間として使うことも視野にいれ、上半期のところで研究における成果報告が前段階としてできるように計画している。内容においては、アンケートの結果、国際比較として技術的に先端的な分野に強みを発揮する企業であっても、DXの側面からはまだ優先項目によっては課題があること、国地域との比較において、日本がやはり強みを発揮する部分があると確認できたこともあり、企業のDXの整備・支援におかれた課題をまずは明らかにすることで、今後の中小企業の政策提案の準備に寄与していきたい。
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