本研究は銀行経営モデルのうち特に地方銀行の新しい収益構造モデルを探求することにある。日本の預貸率が約62%まで急落しており,このままでは金融不安発生をもたらすため社会的に避けなければならない重大な課題の一つである。 本研究では,①量的緩和政策の恒常化,②キャッシュレス化,③フィンテックによる他業種参入,この3点を外部環境とし,預貸率低下の解消を実現させるための収益構造モデルについて他国の成功例を日本のパラメータで組み直してベストミックスを導出する。 本研究の特徴は,預貸率の上昇に成功しているスカンジナビア諸国を研究対象にする点,内生的貨幣供給理論をベースに進める点,この2点にある。
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