研究課題/領域番号 |
19K01873
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
稲垣 京輔 法政大学, 経営学部, 教授 (10327140)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 日本酒 / 日本食 / 海外進出 / 価値評価実践 / 価値査定 / プロデューサー / イノベーター / 新事業創造 / ファミリー企業 / 海外進出戦略 / 地域への貢献 / プロデユーサー / 食のイノベーション / 価値評価研究 / 企業家活動 / フランス / オートキュイジン / 知識ブローカー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本酒のフランス市場への進出プロセスを中心的な課題としながら、経営学とりわけ、起業家活動の視点から価値体系の変化とマネジメントについて考察する。近年、食に関わる分野は文化産業の一部として捉えられ、文化的な生産物の創造的な再生産のプロセスとして食文化の変化を記述し、その過程におけるイノベーターとしてのシェフの役割に着目されてきた。本研究では、食に関わる主体をより広義に設定し、業種を超えた人の出会いの場を設定し、知識の創造・変容・普及をおこなうプロデューサーの役割と実践を調査することで、多元的なロジックのもとでおこなわれる主体の実践とそのダイナミックな変化を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、価値評価研究を多角的に捉えようとしたラモント(2012)の調査を援用しつつ、フランス市場における日本酒の価値評価プロセスの展開を描き出した。ラモントは、「カテゴリゼーションと正当性」、「ヘテラルキーと生成」、「評価実践」という3つの評価プロセスを導き出した。これらに基づき、ワインの価値評価システムがすでに確立しているフランス市場で、日本酒がどのように評価されてきたかを描き出した。その結果、海外市場に一貫した価値評価システムが存在しない状況下で、日本酒の普及を軸に構築されたヘテラヒエラルキーが新たな慣行を生み、他の制度領域で価値を共有する関係性を構築していることが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本事例研究は、異文化における日本の文化的生成物がいかに普及するかについて明らかになり、ラモントの価値評価プロセスに従って説明した。日本酒は、従来とは異なるカテゴリー化がおこなわれ、そのカテゴリーに引き寄せられた主体が多頭的に新たな利害関係を形成し、その利害関係のもとでカテゴリーを基盤とした実践がおこなわれるようになることが明らかにされた。価値評価実践として捉えると、文脈を塗り替えていくわけではなく, 実践者の増加を通じて、対立する文脈を持つアクターとの共存関係を成立させるのであり、その結果、価値査定をめぐる領域拡大によって、カテゴリーが普及していくプロセスであることが明らかにされた。
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